「「写楽展」行って来ました」
2011年6月 2日
先週の土曜日上野の写楽展に行って来ました。
すごい人出でこの前のフェルメール展同様展示品の前でゆっくりふれることは困難でした。
先日ブログにも載せましたが、かねてから興味のあった写楽の正体が阿波の能楽師"斉藤十郎兵衛"説が有力になっことで改めて当時を想像しながら写楽の版画の前に立ちました。
今は額の中に丁寧に飾られていますが、当時は誰でも
お金を払って贔屓役者の錦絵を手にしてたと思うと歌舞伎の隆盛が容易に想像出来ます。
松井今朝子さんの「仲蔵狂乱」を思い出していました。
私の遠縁に当たる今朝子さんのこの本を読んだ時は、江戸時代の歌舞伎役者を想像し自分を奮い立たせたことを覚えています。
その空気感をこの数々の展示から吸い取りたい気持ちでした。
第一会場と第二会場に分かれているのですが、第一会場では同時期の他の絵師の作品も多く展示され写楽の作品と比較していますが、やはり並べてみると写楽の特異性が伝わってきます。
もし能楽師"斉藤十郎兵衛"説が真実であれば生涯プロの絵師として過ごした歌麿や歌川派の多くの絵師とは書くときの精神のポジションが違ったのかもしれません。
彼の中にはおもいっきり好きに遊んでやろうという気持ちが見え隠れしているような気がします。写楽という名前にも込められているのではないでしょうか。無責任と言っては言い過ぎですが、蔦重(蔦屋重三郎)の保護のもと、最初は自由に書いていたのだと想像します。
第二会場は写楽絵だけ展示してあり一期から四期まで順に展示してあります。
第一会場は軽く流して第二会場を重点的に見ることをお薦めします。
まとめて世界中からこれだけ写楽が集まることは当分ないと思いますのでまだの方は是非行かれるといいと思います。
現在上演されていない演目が多く描かれているのですが、演目に対する知識は不要です。
絵の中から役の性格を想像して読み取る楽しみばいいのではないでしようか。
勿論場面が浮かんできたら楽しみは倍増されると思いますが・・・。
現在上演されてないものも多く含まれていますのですべての資料を集めるのは困難かもしれません。
会場にかなりの数のお客様が見えて今将が皆さんは現在の私たちの歌舞伎をご覧になってくださっているのかなと思うと必ずしもそうではないと思います。
現代の画家の方にも現在のテクニックで大首絵を書いていただいて、写真とは又違った楽しみを味わっていただきたいな等と想像していました。
歌舞伎が現在身近な楽しみから遠くなっていることを残念に思ったのがこの展覧会をみて実は一番感じたことでした。
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写楽 興味あります!
でもやはり混雑しているんですね・・・ちょっと無理かな・・・
松井さんの作品は大好きで、もちろん仲蔵狂乱も拝読させていただきました。
私の身近にも歌舞伎が縁遠く感じている人がたくさんいますがが、少しずつ魅力を感じ初めている人もいます。大体が私がしつこいくらいに宣伝しているのですが(笑)
これからも、扇雀さんには素敵な舞台を作っていただいて、ぐんぐん歌舞伎に周囲を惹きこんでいっていただきたいと思います。
ナイス笑顔です扇雀さん!(^-^)
私も一昨日写楽展へ行ってきました。
土日よりは人が少なかったはずですが、近くでじっくり・・はやはり無理でした。
写楽の版画は、今の舞台写真のようなものですよね。
贔屓の役者さんをウキウキで買っている人たちが目に浮かびました。
歌舞伎を観ていなくてももちろん楽しめると思いますけど、観ている自分は明らかに周りとテンションが違いましたよ♪
そして、役者である扇雀さんからは、またちょっと違ったふうに見えているのでしょうね。
あと、第二会場の最後に展示されていた山下金作がお兄様にそっくりで、思わず笑ってしまいました。(^m^)
北山さん
宣伝協力感謝しています。
歌舞伎が浮世離れの存在になったのは色々な要因があると思います。
それを検証するのも大事ですが、内容がよければ必然的に人は集まるものだと思っています。
写楽 触れてください。当時の人たちの楽しみを共有するおもしろさがありますよ。
まやさんへ
写真は全部見てから帰りがけに撮ったので満足の笑顔かも知れません。
兄貴に似てるなと僕も思っていました・・・
今日上野に千住明さん(小学校の同級生なのでかれこれ4☓年の付き合いです)の万葉集オペラを観に行くのでその帰りにもう一度寄ってくるかシャガール観るかその時の気分で決めたいと思っています。