「国立劇場 歌舞伎鑑賞教室」
2011年6月12日
今日の14時30分の公演に行って来ました。
いろいろな舞台を見ていても歌舞伎となると自分の畑ですから気持ちも変わってきます。
楽しむという気持ちは薄れ劇評家のような気持ちになってしまうものです。
しかし劇評家の方と決定的に違うのは舞台に立っているということでしょう。
今日観た「四の切」も忠信・義経・静御前とすべて勤めているので経験を踏まえながら総合的に観ることができます。
特に忠信は先日襲名なさった源大夫(当時は綱大夫さん)のお師匠さんにお稽古をしていただいた役ですので、自分と重ねてしまいます。
また今日は忠信が兄の翫雀・静御前が甥の壱太郎・義経が親戚の亀鶴君と歌舞伎界に少ない私の親戚が集結しているのでノートを持ってみたい気持ちでした。
日曜日とはいえ一階はほぼ満席で嬉しい限りです。
この「四の切」は狐の親子の切ない物語と義経・忠信の主従のつながりまた義経と静御前の愛情のつながりと三つの物語がきちっと伝わらなければ物語の骨格が見えてきません。
そこを大事に創り上げる一幕だと思います。
しかし他の舞台と違ってどうしてもやりたくなってしまうのが役者の性でしょうか。
はやる気持ちを抑えるため休憩時間に二階のロビーで久しぶりにゆっくり国宝級の絵を見て歩きました。
お目当ては日本人の画家の中でで大好きな一人"杉山寧"画伯の一枚です。
しばし堪能してお客様の気分に浸りました。
国立劇場は平櫛田中の鏡獅子を初め優れた作品が多いことに改めて気付かされました。
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私も千穐楽に観に行きます。
義経千本桜は何回観ても面白い舞台です。
先月は明治座で亀治郎さんがなさいましたね。
演出とか違うのかしら?
壱太郎さんの成長ぶりも楽しみです。
みじゅさん
僕が忠信をしたときは勘三郎さんの演出に順次ていました。
今回の兄は菊五郎のお兄さんに監修していただいているので僕の時とは多少演出が違います。
亀治郎さんは観てないので迂闊なことは言えませんが猿之助のお兄さんの演出を踏襲していると思います。
これも私や兄の演出とは異なる部分がありますので、そこを探すのも楽しいかも知れません。
ただ登場人物が変わりわけではないので役の性根すなわち精神が変わるものではないと思います。
是非その違いを見つけて楽しんでください。
歌舞伎の楽しみ方の一つです。
同じ演目でもその役者さんによって違うというよりは、演出によっての違いもあるわけですよね。
歌舞伎の楽しみって、本当に色々ありますね。毎回本当に劇場に行くの、ワクワクします。
北山さん
役者側も、一生かけても一つの役の完成品には到達できないのですから、無限大に楽しみ方があるのだと思います。