中村扇雀の公式ブログ

「「四の切」」

2012年12月30日

来月の舞台稽古が終わりました。

新猿之助さんと共演です。
「四の切」では忠信と静御前はかつて勤めていますが、今回勤めます義経は初めてです。
義太夫狂言はいつもどおりまず文楽から勉強し始めます。
忠信を勤めた時に現源大夫当時の綱大夫のお師匠さんに稽古をしていただいたことが有りますが、その時の経験も今回は生きてきていると思います。
祖父2代目鴈治郎が先代の猿之助兄さんの四の切で義経を勤めている資料があり参考にしていますが、独特の空気感は真似するというよりイメージの一つとしての貴重な資料という感じでしょうか。

この四の切場面は義経は平家との戦いの後頼朝都の確執の最中です。
義経の気品・位取り・大将としての威厳。
要求されることの多い役です。

そして、最終的に狐である偽忠信に親狐の皮で作られた小鼓を差し出します。
途中からは狐と人間という非現実の世界にお客様を誘います。
嘘でしょということを何の違和感も無く本当のことにお見せする事は容易ではありません。
大切なのは物語の登場人物になりきるということでしょうか。

歌舞伎の醍醐味が満喫されている一場面ですので、是非ご覧下さい。

澤瀉屋ご一門との共演はめったにありませんので私自身は楽しみにしています。

一つ新中車と共演する演目がないのが心残りです。

稽古は三回きりでしたが是非劇場で私が立役を勤める初芝居をご覧下さい。

http://www.kabuki-bito.jp/theaters/osaka/2013/01/post_1.html

私のホームページからもチケット申し込めます。

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コメント

扇雀さんの義経を観るのは今回が初めてなので、とても楽しみにしています。
5日に観劇させてもらいます。

今年もたくさんの舞台を楽しませてもらい、ありがとうございました。
来年も扇雀さんの活躍を楽しみにしています。
素敵な新年をお迎えください。

あいさん

ありがとうございます。新しい年を迎えるにあたって新しい目標を見つけようと思っています。

新春の扇雀さんの舞台、とてもとても楽しみにしています。

初めて拝見する演目ですので、新鮮な目で見物したいと思います。

たまねぎさん

四の切は思い入れの深い演目なんです。親子の情愛や義経の悲哀等見どころ満載の演目ですので楽しんで下さい。

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