2013年1月記事一覧
「桜宮高校体罰問題」
2013年1月31日
個人的意見はあまり公の場では言いたくはありませんが、いま話題になっているこの問題について。
皆さん色々な立場や考えがあり多くの意見が有ることが正常だと思います。
ただ、私もスボーツをやっていた人間として思うことですが、高校生というレベルや中学生というレベルを大人はどう考えているかがまず大前提になるのではないでしょうか。
それと現場となった桜宮高校について意見を色々なコメンテーターがテレビでおっしゃっていますが下調べはしているのでしょうか。
この問題の解決は体罰を行った当事者がすべて本人の実名で公の場で自分の言葉で周囲に校長も教育委員会の委員も置かずに説明すること以外にないと思います。
何故そのような行為を日常的に行う必要があったのか。
スポーツ推薦だけで大学に行くことが当たり前なのか。
自分の指導方針に行き過ぎや過信がなかったのか。
長年変わらないことが良かったのか。
すべて本人の口から話すべきで、1人の生徒が亡くっていることに対する自分自身の気持ちを教育者として社会人としての責任を説明する機会が何故無いのでしょう。
自分自身の正当性や謝罪や公の場で発言ができないような人間には人を育てる資格はないと思っています。
離見の見という言葉が演劇には有りますが、すべてのことにあてはまるのではないでしょうか。
「義経」
2013年1月28日
1月の松竹座公演が千穐楽を迎えました。
残念ながら猿翁のお兄さんは口上は初日のみのご出演となってしまいましたが、千穐楽昼の部のカーテンコールにはお出になり万雷の拍手を受けていらっしゃいました。
香川照之さんとの舞台上での共演も叶い、お喜びのご様子でした。
照之君もそのことを本当に喜んでいました。
数年前には想像もしていなかったことですから、人生何が起こるかわかりません。
さて今月の写真を掲載します。
ほとんど動きのない義経ですのであまりバリエーションはありませんが、芝居の進行順にいくつか掲載致します。
義太夫狂言の時はいつも通りまず文楽を参考に致します。
非常に台詞を強めに言っているのは、平家を滅ぼし頼朝の追手から逃れている時ですので大将としての威厳を重視していると思います。
義経といいますと色気とか柔らかみとか、船弁慶等は子方(こかた)で演じると言われていますので相対的に柔らかいイメージですが、今回は少し強めで勤めました。
また狐の物語になった時点で現実の話から非現実の歌舞伎独特の世界へと入っていきます。
そこには人間も動物も同じように恩愛の気持ちがあるというメインテーマに向かって物語は進んでいきます。
義経も狐の親子の情愛と自分の肉親との縁の薄さを重ねて嘆きます。
突然狐がしゃべるのですから正直変な話ですが、芝居の夢と言いますが芝居だから遭遇出来る非現実の世界です。
今まで狐忠信も静御前も演じている演目ですので馴染みが深いのですが、まだまだ奥の深い演目だと感じました。
勘三郎の兄貴が中座で文楽の方と勤めた時に静御前を勤めといましたが、素晴らしい狐忠信で毎日が勉強でしたが、ある日お兄さんが尿管結石になり休演が決まり、この演目は代役が立てられずに預かりになったことがありました。
それほど素敵な忠信でした。
もう観られないのが嘘のようです。
子狐の親や静御前や義経に対する感謝や愛情表現が心の底から出るようにすることが眼目なのでしょう。
やはりお芝居は腹が第一で技巧が続いていかなくてはなりません。
いつかまた狐忠信を演じてみたいものです。
「35日の法要」
2013年1月13日
昨年12月5日勘三郎のお兄さんが永眠されて5週間が過ぎ35日の法要が行われたと、幸ちゃん(橋之助さんの本名幸二"こうじ"さんです)から連絡がありました。
大阪公演中ですので出席できず残念でした。
1月5日に1ヶ月目を迎え、まだお正月のおめでたい時にお兄さんを偲ぶコメントは避けようと思い控えていました。
そろそろかなと思いお兄さんの最後の舞台姿となった昨年の松本公演のカーテンコールの写真を掲載します。
仲之助さんが舞台奥から撮影した写真です。
お兄さんの顔は写っていませんので皆さんの心眼で顔を想像して下さい。
舞台上最後のシーンです。
今後も折りに触れお兄さんの話をしていきたいと思っています。
この舞台に私は出演していませんでしたが、この扮装になることは子供達も含めて共演者には内緒にしていて驚かせたそうです。
イタズラの大好きな人でした。
手術前の「やりたいことまだ沢山あるから頑張ってくるよ」の言葉の数日前です。
やりたいことを引き継いでいくことが恩返しだと思っています。
「松竹座初日」
2013年1月 3日
50年振りに元旦初日で松竹座の幕があきました。
櫓がのぼり初春の賑わいを見せ初日より満員御礼です。
昨日NHKで生中継されましたがあいにく元旦から何年ぶりかの風邪を引いてしまい思うように声がでずお見苦しい中継となってしまいこの場を借りてお詫び申し上げます。
一両日中には回復すると思いますので皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
新猿之助さんとの共演はほとんどはじめてですの大変楽しみです。
四の切は忠信と静御前はかつて勤めていて馴染みの深い狂言ですので、新猿之助さんの芝居の作り方を大いに参考にしたいと思っています。
是非皆様26日の千穐楽迄に劇場に足をお運び下さい。
「元旦の富士山」
2013年1月 3日
あけましておめでとうございます
元旦、東京から大阪へ新幹線移動の車中からの富士山です
祖父の故2代目鴈治郎が富士山が大好きだつたので子供の頃から富士山をみると心が落ち着くと同時に活力をもらう気がします
12月に勘三郎の兄貴が永眠され年が変わり新たなスタートとなりました
4月に新歌舞伎座の杮落しを控え本当の意味で真価が問われる時だと思っています
今後共宜しくご指導ご鞭撻のほど心よりお願いいたします