「「丹波少将成経」」
2013年2月14日
たんばのしょうしょうなりつね
と読みます。
今月博多座夜の部の「俊寛」で私が演じている役名です。
この演目には今まで
丹左衛門尉基康
海女千鳥
判官康頼
の三役を勤めていますが今回の丹波少将成経は初役です。
ただ多くこの演目に出演しているので自分の感覚の中ではすでに演じていたような気持ちになっていましたが、完全な勘違いでした。
以前出演した俊寛では亡くなった勘三郎のお兄さん富十郎のお兄さんが勤めていらっしゃいました。
今回は仁左衛門のお兄さんの俊寛で、この演目でご一緒するのは初めてです。
まず稽古に入る準備段階として義太夫の演目ですのでいつものとおり文楽の勉強からです。
今回は越路大夫のお師匠さんの音源を勉強致しました。
文楽からは自分の勤める役の人物像と発音と作品全体の空気感等を勉強しています。
歌舞伎はその演目の主役を勤める俳優が演出家の役割を勤めますので、今回は仁左衛門のお兄さんがその立場です。
今回の舞台写真です。
写真:博多座
今回の舞台では、仁左衛門のお兄さんは役の気持ちを大切にということを特に大事にしてらっしゃいます。
同じ演目でも演じる方によって作品が変わってくるのが歌舞伎の醍醐味というか面白さだと思います。
勘三郎のお兄さんが演じる時は幕が開くと磯の香りが舞台全体にひろがるのですが、その方法は企業秘密かも知れませんので公開は控えます。
この作品は父の坂田藤十郎がライフワークにしている近松門左衛門の作品ですので、私も遠くない将来に俊寛は演じてみたいと思っています。
エッと思われるかもしれませんが、俊寛の実年齢を私はとっくに過ぎているので、おかしくはないのです。
俊寛は島流しでやつれていますが、年寄りではないんですよ。
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俊寛は吉右衛門さん、我當さんが演じられたのを舞台で観たことがあり、勘三郎さんの俊寛をテレビで拝見したことがあります。
演じる人によって、こんなに違って観えるのかと改めて感じた作品が俊寛でした。
役者さんによって同じストーリーなのに、それぞれ違う俊寛ですごく面白いなと思いました。
扇雀さんが演じられたら、また違う俊寛が見られると思うと是非、演じてほしいです。
今まで俊寛は50代とか60代かなと思ってたんですけど、実は30代後半くらいなんですよね。
それを知った時、すごくびっくりしました。
あと数年で私も俊寛の実年齢を超えてしまいます・・・(汗)
あいさん
俊寛は本当に興味あるんです。楽しみにしていて下さい。
俊寛って見るたびに 最後の方で涙を押さえることが出来なくなってしまうんですよね・・・。
ぐっと来てしまって・・いつも終わると鼻すすっています。
扇雀さんの俊寛も拝見してみたいです。
それぞれの役者でまた違って見えますものね。
Kさん
俊寛は名作だと思います。近松門左衛門は凄いですね。
俊寛は、何度か見ている作品なのですが
その風体から仙人のように感じてしまうので
実年齢が”若い”とは、意外です。
最初に見たのが、西の丸での大阪平成中村座でした。
”おーい”と言う言葉も
無念の叫びから、ほほ笑みを少したたえた悟りの境地へと変化していく過程に…
心の移ろいに、イマジネーションが掻き立てられました
3人の姿は身をやつしても、誇り高く気品に満ち
大海をも感じられる壮大な舞台
最後はいつも泣けてしまいます
扇雀さんの俊寛、虎之介さんの千鳥で拝見出来る事を楽しみにしています
たまねぎさん
ありがとうございます。以外に思われますが俊寛は演じたい演目です。その日の為にもきっちりと準備したいと思います。
今、博多へ向かっています。
私の中で俊寛は、勘三郎さんのイメージが強いのですが、仁左衛門さんとのご共演、楽しみです!
早く観たくてうずうずしています。
扇雀さんの俊寛も、いつか絶対観たいです。
ねこさん
ご来場ありがとうございます。また感想をお聞かせ下さい。
俊寛、拝見しました
素晴らしい舞台をありがとうございました
余りにも素晴らしかったので
昼の部を一緒に見た友人に
その日のうちに続けて、夜の部も見るようにと勧めてしまいました
感じるところがたくさんあって
それは登場人物の人物像がとても詳細に描かれていたことです
丹波小将成経と千鳥のお二人が愛し合っている事が
鮮明に表現されていて
互いに愛おしく大切に思っていることが
手に取る様に分かります
甘える千鳥にそっとほほ笑む丹波小将成経
照れながら砂で遊ぶ丹波小将成経
千鳥は可愛く、丹波小将成経は本当に素敵です
初々しい愛情表現がとても微笑ましく
こんなにも素敵なカップルは、今まで拝見したことがなかったような気がします
だからこそ、引き裂かれないようにと手を尽くした俊寛の思いが
とても生きてくるように思いました
明日で博多座も終わりですねーー
今回は昼の部2回夜の部3回と通いました!
1階席2階席3階席からそれぞれみると
1階席は顔がすぐそこにあり喜怒哀楽細かな表情を楽しみました
2階席は花道の上で見得の部分のお顔が見えずちよっとがっかりでした
3階席は復習のつもりで拝見してましたーー
舞台全般の雰囲気は感じとれますね
場所で観る印象が変わり、またイイ感じでした
新歌舞伎座で舞台気合いが
入ることと思います。
お身体お気をつけてくださいね
たまねぎさん
ありがとうございます。役の表現は皆さんによってそれぞれ違いますが、役の本質は変わらないのだと思います。表現の仕方は無限大に存在するはずですので、一つの方法にとらわれずに研究していくことが役者に求められているのだと思います。
およよさん
沢山のご観劇ありがとうございます。最高の楽しみ方をなさいましたね。芝居見る場所で表情を変えますがその都度新発見があるものです。そこが映像と舞台の違いなのではないでしょうか。自分で楽しみ方を作れるライブの醍醐味です。