「夜桜能」
2013年4月 5日
4月2日歌舞伎座初日の夜
靖国神社の夜桜能を観に行って来ました。
と言っても写真は開演前の日比谷公会堂の舞台です。
薪能を心から楽しみにしていたのですが、生憎の雨天で場所は日比谷公会堂に変更になってしまい非常に残念でしたが、靖国の桜も散りかけていましたから、日比谷公会堂の舞台上に群馬から運ばれた満開の桜が飾られていたので、寒い思いもせずそれはそれで良かったとしましょう。
しかし、靖国の屋外と比較すると風情はいかんともしがたく正直なところ残念でした。
今回は6月に国立劇場で演じる「紅葉狩」が演目に入っていたので、是非観たくて歌舞伎座初日の夜でしたが、虎之介を伴い行ってました。
他の演目と出演者は以下のとおりです。
能役者の皆さんの舞、謡それぞれが囃子と共鳴して練り上げられた造形美を堪能しました。
狭い空間での動きの中に削ぎ落とされ凝縮された濃密な時間が過ぎていきます。
派手な演出の演劇やエンターテイメントを見慣れていると、能には舞台上から想像の世界が広がっていく楽しさがあります。見えない景色が見えてくることが見る側の楽しみだと気付きます。
歌舞伎の「紅葉狩」は能のこの演目から発想して九代目團十郎が創り上げた作品ですが、改めてその先人の創作力に感動するばかりです。今日舞台の上に想像してみていた空間を実際に作り上げたのが歌舞伎の舞台なのではないでしょうか。
題材は一緒でも全く違ったエンターテイメントに仕立て歌舞伎の先人達はどんなに努力をしたことでしょう。
6月に向けて気の引き締まる思いです。
それと狂言「千鳥」の野村萬斎さん。言葉の間や顔の表情や皆々素敵で楽しませて頂きました。
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