「鬼女の指」
2013年6月22日
今回の「紅葉狩」の後ジテで鬼女の指の形をどうするかで少し悩みました。
鬼は3本指で演じることがほとんどなのですが通常以下の二通りがあります。
多くの先輩達はこの2種類のどちらか或いは両方を使っています。
今回の私の選択は右側の3本指に致しました。
左ですと客席からは指が細く見えすぎて鬼としての強さが出ていないと思ったからです。
ただ今回こだわった鬼女の女の部分からすると左の細いほうがいいのかもしれませんが、実は毛を持ったりするときも右の方が演りやすいというのも実はあるのですが、ともかく今回は右の指で演っています。
(※は必須項目です)
このページのトラックバックURL:
http://www.senjaku.com/cgi/mt4/mt-tb.cgi/416
こちらにもカキコさせていただきます。
この指の形ですが、実は開演前に参加者に集まっていただき、ちょっとした解説をさせていただきました。
私は前回国立で京屋さんが左の形をなさっていたので、そういう決まりだと思って皆に話してしまいましたら、今回右の形をされていたのでびっくりしました。
「人間に比べて鬼に知恵が足りないことを表現している」と申しましたら、「足りないのは愛では?」「情けじゃないか?」などといろいろな意見が出て面白かったです。
私個人としましては、毛を持っておられるときのお指が何とも柔らかくて色気があり、別のページで書かれていた「鬼であっても女」の部分がこの指先によく表れていると思いました。
お嬢吉三さん
芝居の工夫には限りがありませんし理由や理屈を知ることは大事です。それをベースに膨らませていくことが役者の楽しみだと思っています。