中村扇雀の公式ブログ

「「沼津」の"お米"」

2013年11月20日

初役で臨んだ"お米"も残すところあと一週間となりました。

どの作品でもあたりまえのことですが、登場人物の心の変化を的確に表現することがこの素晴らしい作品を活かす何よりも大切なことででしょう。

偶然が重なりあって数時間の間に長年離れていた親子が対面してその実の子の前で父親が自害するという展開は、お客様を引っ張るには最高の設定です。
その間の心の動きを役の心で演じるわけですから集中力が重要だと今回つくづく感じています。

父の十兵衛は役の人物その人が目の前に居るかの如く存在しますから、否が応でもこちらも自分の演ずる役にどっぷり入っていきます。
毎日父の和事を感じていることが自分自身の財産になっていると感じる今月の舞台です。

舞台写真をいくつか掲載致します。

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撮影:二階堂 健

今月の26日迄連日国立劇場で上演していますので是非見にいらして下さい。

スケジュールのページからもチケット申し込みができます。

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コメント

今日魅せていただきました。

お父様のちょっと振り向く所作・なにげない言葉に和事の香りを感じ、
こんなところにまで、身から染み出るように自然に出なくてはいけない和事は、
奥深いものだと、観客ながら震えるような思いでした。

扇雀さんのお米は舞台に出た瞬間からの華、
天性のものは隠しても光り輝くのだと感じ入りました。
吉原では大輪の牡丹のようであったであろうと、
そして、今は百合のように控えめながらもその美しさは滲み出てしまうお米でした。
これなら、十兵衛さんも一目惚れしてしまうよなあと、そのくだりが当然に思えました。
それにいたしましても、いつもながら、女気と申しますか、
女の底にある肝、女が惚れる女に、酔いしれておりました。
台詞を言わず控えめにしているときの居住まいが、本当にお役そのままで、
また心つかまれてしまいました。
しあわせです。
ありがとうございます。

国立劇場、観劇させていただきました。
沼津の前後のお話は初めてでしたので、今まで以上に物語に入り込むことができて、とても充実した時間を過ごすことができました。

沼津では、登場されるおひとりおひとりの心情がひしひしと伝わってきて胸が熱くなりました。
また、虎之介さんの志津馬の敵討ちの場面では、初々しさ、真剣さが眩しく、ますますこれからが楽しみになりました。

私は扇雀さんの所作が大好きで、いつもうっとりみとれてしまいます。(8月髪結新三での手代忠七のげたの鼻緒をすげる場面、釘付けでした....)

8月の[シネマ歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』と出会うティーチイン上映会&懇親会]の時に扇雀さんにお会いすることができて、直接お話をさせていただいて、舞台の印象とは違った魅力にますますファンになってしましました。

これからも、舞台を沢山拝見させていただきます。
扇雀さんの”十兵衛”にお会いできる日を心待ちにしています。

ステキな時間をありがとうございました!
舞台写真も何よりも嬉しいです。

これからもお忙しい日々のことと思います。くれぐれもお身体お大切になさってください。

じゅんこさん

観劇ありがとうございます。舞台は評価を点数で出せるようなものではありません。お客様お一人お一人の心で感じて頂くものですから感想を頂く事は励みにもなり達成感を感じ嬉しい限りです。ありがとうございます。色々な演目を通じてこれからも皆様に楽しんで頂きたいでと思っています。

うりぼーさん

ありがとうございます。ティーチインの時は私も直接皆様にお会いできて楽しいひと時でした。今回の通し狂言は国立劇場ならではの企画で素晴らしい企画だと思います。沼津の後に「岡崎」という場があり政右衛門の苦悩が描かれるのですが、ここも一度上演できたらいいなと思います。そして十兵衛楽しみに待っていて下さい。

双六文楽版行きました、約8-9時間、うつらうつらしつつも、頑張りました、義太夫が心地良くって、ついうとうと。国立劇場の方は4時間くらいですね。どこが抜けてるのかなあと思って比べてみたら、岡崎、とか伏見北国屋がないけれど、歌舞伎でやると凄く面白いだろうなと思いました。見どころ満載。十兵衛さん死にましたし。吉田でおおた、ありました、千本松原の段、住大夫さまで、泣けてきました、、、。2月の演目をよく見ると玩辞楼12曲の演目が2つ入ってますね、お薦めが最終演目なら日帰り難しいかな。

tamさん

通しで一気に見るとかなり疲労感はあると思います。私は9月前半しか見ていません。後半部分を歌舞伎でやってみたいですね。2月は私は最期がお薦めなんです・・・。

通し狂言で観て敵討ちのいきさつなどもわかり、すっきりした気分になりました

扇雀さんのお米ちゃんも今は貧乏暮らしをしていても元は花魁という気品があり
、今までに見たお米ちゃんの中でもとても印象的でした。
この舞台写真を見た時に「可愛い」より「大人っぽい」とい印象がしたのはこれ
だったのねと納得しました。
虎之介さんの志津馬も勇ましくて素敵でした。関西で虎之介さんの舞台を見れる
日くるのが待ち遠しくなりました。
今回の沼津は兄弟で親子かんけい、親子で兄弟、夫婦関係で観ていてなんだか不
思議な感じもして楽しかったです。
いつか扇雀さんと虎之介さんの共演の沼津を観てみたいです。

あいさん

「沼津」は大好きな演目ですから、いずれ虎之介と共演することもあると思います。楽しみにしていて下さい。

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