2014年3月記事一覧
「勧進帳の緊張感」
2014年3月22日
二十数年ぶりで勧進帳の四天王を務めています。
吉右衛門のお兄さんの弁慶、菊五郎のお兄さんの富樫そして父藤十郎の義経と現在の歌舞伎界の最高の配役と思われる舞台で勧進帳の緊張感を毎日舞台で感じています。
今回のこの演目を舞台の袖ではなく所作板の上で向かえられたことを本当に幸せに感じています。どこと言ったらきりがないのですがとにかく必見だと思います。
幕見席もあります。
何も言いません。是非見ていただきたいと思っています。
「鳳凰祭3月大歌舞伎パンフレット」
2014年3月22日
今月の舞台写真掲載のパンフレットが出ましたのでお知らせします。
今月もサインをしてパンフレットを販売させて頂きます。
締め切りは26日千穐楽正午(12時)とさせて頂きます。
一部¥1,500(送料・消費税込み)
ご希望の方はお名前ご住所を明記のうえ下記のアドレスに部数を添えてお申し込み下さい。
入金方法を折り返しお知らせします。入金確認後に郵送させて頂きます。
ご応募お待ちしています。
「忠兵衛「その千日が肝先へ」」
2014年3月22日
今月の「封印切」の忠兵衛の台詞です。
近松の原作では「その千日が迷惑」となっているのですが、玩辞楼十二曲の「封印切」では「その千日が肝先へ」と変わっています。
この台詞の意味は忠兵衛と梅川が死出の旅を決意した後に、周囲からは「おめでとう」とか「お名残惜しい」と言われておえんさんに「そりゃ千日云うても帰らぬこと」と、どれだけ言っても盡きないほど目出度いと言ったのに対しての次の台詞ですが、この忠兵衛の千日は地名の千日前を指しています。当時は大阪ミナミの千日前に刑場があり二人の首がそこに晒されてしまう事を暗示しての返しの言葉になります。
今月務める梅川は先月も兄・翫雀の忠兵衛で務めていましたしもう回数もかなりの数になってきています。
今回は父が相手ですが、82歳という年齢を感じない忠兵衛さんがそこに居るのが藝の凄さだと痛感しています。
そしてこの表題の台詞が私の一番好きな台詞です。
自分の運命に対してのひとりごととでも云うのか忠兵衛の悲運を表す台詞でこの瞬間が忠兵衛の人生を表現していると思っています。
私も忠兵衛は何度も務めていて鴈治郎家にとっては最も大事な演目の1つですので、その演目を父と兄と共演できることは先祖も喜んでくれていると思います。
次回は是非忠兵衛を努めたいのですが、今回の父の幕切れの花道は大変参考になり次回に是非活かしたいと思っています。
忠兵衛を待っている梅川
痴話喧嘩の最中
死を決意したあとの引込み
「本日3月13日ニュースゼロ」
2014年3月13日
本日13日の日テレ23時からの「ニュースゼロ」で先日2/27にオーチャードホールで東京フィルハーモニーと共演した公演の取材が放映予定です。
本日迄情報開示を差し止められていましたのでぎりぎりのご報告となってしましました。
この公演は東京フィルハーモニーの100周年を記念した公演でJAPAN・クラッシックオペラと銘打ち、クラッシック音楽と日本の古典をコラボさせた公演です。
私は「鷺娘」を古典のとおり踊り、曲はチャイコフスキーの「白鳥の湖」とヴォーン・ウィリアムスの「あげひばり」を抜粋したものを演奏しました。
これはリハーサル開始前に音楽監督の千住明(小学校の同級生でもう50年近い付き合いです)が撮影してくれた写真です。
彼が「鷺娘」の映像から時間を割り出し曲を当てはめ、私は長唄でなくそのクラッシックの曲を覚えて古典の振りを合わせて踊りました。
番組で舞踊の一部をお見せ出来るのか聞いていないのですが、いずれ映像が手元に来ましたらアップしたいと思っています。
「博多座千穐楽のお詫び」
2014年3月 2日
2月25日博多座千穐楽の夜の部
「土屋主税」終演後に約2分程観客の皆様拍手を続けて下さいました。が、それに気づかずすべての衣裳また鬘もとってしまい、裸の状態になってから気付き皆様の前に改めてカーテンコールとしてお答えできませんでした。
本当に心残りです。
この場をかりて拍手をして下さった皆様にお詫び申し上げますとともに1ヶ月間のご後援心より感謝申し上げます。
この後も大好きな博多で何度も歌舞伎公演ができますことを心より願っております。