中村扇雀の公式ブログ

「本日初日国立劇場「伽羅先代萩」」

2014年11月 2日

昨日まで5日間の稽古を終え本日国立劇場の初日を迎えました。
先週の土曜日が歌舞伎座の千穐楽でしたからあっという間の一週間でした。
国立劇場は初日の2日前に初日通り衣裳を付けて舞台稽古をして前日には化粧をせずに舞台稽古をします。通常は初日通りの舞台稽古を前日に1回やるだけです。

これは珍しい素の舞台稽古の様子です。

2014年02月14日08時44分49秒.pdf004.jpg

子役さんは衣裳をつけ化粧をしています。兄の八汐と私は子役さんとの絡みもあり掛けだけ本番用の物を着ています。

今回の公演では「竹の間」と「奥殿」と続く中で父の藤十郎と私が同じ"政岡"の役をリレーします。これは父の年齢を考え体力的な事を配慮してのことです。
「竹の間」は義太夫狂言の通しですが、義太夫が入りません。ですから台詞劇となります。
「奥殿」とは自ずと雰囲気が変わりますが人物は同じですので別人に見えないようにしなくてはいけません。
幸い衣裳は同じ黒地に雪持ち竹の掛けを着ているので人物は同じに見えるでしょうが、やはり格という部分で芸歴70有余年の父とは比較されるとどうにもなりませんので、今できる私の政岡を目指します。30年後に父の政岡の格に並べればと思っています。

この「竹の間」では幕開きから八汐たちの出迄の短い間に鶴千代と千松と政岡の関係をお客様に知らせておく必要があります。
そして八汐の出からは命を狙われている鶴千代君を守ることに全神経を集中させます。
初役ですので初日が開いてお客様が入られてからの舞台の雰囲気は稽古とまた違い、そこから生まれる緊張感というものがありますので公演中に色々な発見や変化が生まれてくると思います。
女形の最高峰とも言われる"政岡"ですが、この「竹の間」からでも演じることができることはありがたいと思っております。

皆様是非国立劇場にいらして下さい。本日より25日迄休みなく公演しております。


公演のお問い合せは下記へメールで受け付けております。

suzumenokai@senjaku.com

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コメント

国立劇場 「伽羅先代萩」初日おめでとうございます。
扇雀さんの「政岡」 楽しみです。
京都は、少しずつ山並が秋模様になって参りました。
お身体ご自愛くださいませ。
いつも、ありがとうございます。

ゆかりさん

ありがとうございます。劇場でお待ちしています。

大変珍しい舞台稽古の画像をお見せ頂いて
ありがとうございます

衣装をつけておられず
お顔をされていなくても
息苦しくなるような緊張感が伝わって参ります

残念ながらお伺いすることが出ませんが
公演のご盛況を心からお祈りしております

南座にお越しになられるのを
楽しみに待っております

たまねぎさん

もう顔見世ですね。今年は立役ばかり3役ですが私も楽しみにしています。

伽羅先代萩通しで初めて拝見しました。扇雀さん、藤十郎さんの政岡、涙がこぼれました。男性が乳母、母親の心情をあそこまで濃厚に演じられるのは歌舞伎ならではと改めて感じ入りました。有り難うございました。

与志子さん

ご来場ありがとうございます。歌舞伎の女形は先輩たちの苦労の歴史の中から生まれました。
しっかり継承していきたいと思っています。

初めて伽羅先代萩を通しで観劇しました。
竹の間を観ることによって、全体の流れもよく把握できました。
また観に行く予定です。
南座も楽しみにしています。

梅☆さん

ご来場ありがとうございます。やはり通し上演のメリットが活かされますよね。お客様の感情移入もしやすくなると思います。

楽しみにしていた扇雀さんの「政岡」竹の間だけでなくもっと観たかったです。通し狂言はいいですね。じっくり観る事が出来ます。25日迄お身体ご自愛くださいませ。
お時間ございましたら、ブログでいろいろお知らせください。いつもありがとうございます。

ゆかりさん

確かに通し狂言はストーリーが繋がり映画を見ている感覚ですね。歌舞伎は色々な上演方法がありますがこれも先人の知恵だと思います。

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