中村扇雀の公式ブログ

「「嫗山姥」荻野屋八重桐」

2015年1月10日

まだ今月の中日にもなっていませんが、来月の役のことです。

来月の序幕に務める「嫗山姥」荻野屋八重桐のスチール撮影風景です。

今回の「嫗山姥」の演出は父が平成9年の12月京都顔見世で演って以来の上演です。
故武智鉄二先生の演出によるもので、父が昭和57年に立ち上げた「近松座」公演で初演した演出で、今回はそれを踏襲致します。
この「近松座」は父が50歳の時に旗揚げした公演で近松門左衛門の原作に立ち帰って上演をしようという狙いで始まったものです。

この作品を兄の襲名興行で選んだのには、父の目指している道を私も踏襲していこうという意識の現れと思っ頂けたらとの考えからです。
即ち、鴈治郎の名前がこの世に復活し上方歌舞伎の継承を謳うからは父が目指していたこともしっかり継承していきたいと強く思っている事を皆様にお伝えしたいという事です。

「嫗山姥」荻野屋八重桐は初役です。チラシに掲載する写真を初役なので撮影することになりました。撮影は先月の京都顔見世の公演中です。

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父のやり方は義太夫で語るべき多くの部分を本人が語りますので、かなりの技量が必要となってきますので、今の私の女形としての最も挑戦したい役の一つです。
その役を兄の襲名披露興行で努められることは嬉しい限りです。

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コメント

昨日の鴈治郎はんの特番を見て
上方歌舞伎を継承されていく並々ならぬ決意と
芸の継承と工夫とを強く感じました。
それは、いつも扇雀さんが仰っておられる事でもあり
「成駒家」一丸になって目指されておられることは
他の方がおやりにならない
2ヶ月通して上方から始まる襲名披露でも
かかるお芝居でも分かります。

「近松座」は、1度尼崎で拝見しました。
中村座と共に、私が待ち望んでいる公演です。

扇雀さんが仰る『今の私の女形としての最も挑戦したい役の一つ』
「嫗山姥」荻野屋八重桐。
まだ拝見したことのない舞台ですので、とても楽しみです。
この襲名披露公演は、観劇後がいつもと違う感覚になります。
肩の力を抜いて、とてもリラックスして見ることができ
序幕から大詰まで
温かく柔らかに感じて気持ちが良いのです。

上方歌舞伎の香りがする舞台に
私の中の上方の血が呼応しているのかもしれません。

たまねぎさん

兄の番組は残念ながら見てません。兄がどう考えているかを私も知りたいので、TV局から録画を取り寄せようと思います。父の「嫗山姥」は他の方には真似のできないテクニックですのでそのムードを盗めたらなと思っています。

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