中村扇雀の公式ブログ

2015年2月記事一覧

「浅草寺お練成功祈願」

2015年2月26日

明日2月27日午前11時より

浅草寺にて「四代目中村鴈治郎襲名披露成功祈願」のお練が執り行われます。

私は勿論一門全員揃ってのお練ですので是非見にいらして下さい。

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「松竹座千穐楽と三津五郎のお兄さん本葬」

2015年2月26日

昨日2月松竹座四代目中村鴈治郎襲名披露興行が千穐楽を迎えました。
2ヶ月に渡る襲名披露興行か無事に終わったことは兄もほっとしている事と思います。
劇場に足をお運び下さった皆様、また関係各位に心から御礼申し上げます。

今月の「嫗山姥」は初役ではありましたが評判も上々で1つの財産が増えた気がしています。音楽劇としてのテンポと間が何よりも楽しく、その心地よさがお客様に伝わることの面白さに満ちている演目です。
次回上演の時は揚幕への引込みを考えています。義太夫の言葉どおりですと幕切れは「行方も知れずなりにけり」と立ち去ってい内容になっていますのでこれも1つの方法かなと思っています。
立回りへの変化も面白く歌舞伎味満載ですので是非再演をと願っています。

もう一役「曽根崎心中」の"九平次"ですが演っていて気持ちのいいものではありませんが敵役に徹すれば徹するほど主人公2人の悲劇が際立ちますので、徹底的に嫌な人物を作り上げました。それが思いの外評判がよくニンではないと思っていたので、自分としては複雑な気持ちでした。
しかし一層"お初"への思いが募ったことは間違いありません。

そして、昨日は寿(ひさし)さんの本葬が執り行われましたが、松竹座公演の為出席が叶いませんでした。大阪の地でご冥福をお祈りしました。
勘三郎のお兄さんが後輩の精神的な支えであるとするなら三津五郎のお兄さんは技術面での支えだった気が致します。今更ながら去年の10月「勘三郎追善興行」の初日に「近江のお兼」終演後に楽屋に入ってきて下さり「良かったよ」と言って頂き、その後お兄さんならではのアドバイスを下さりました。舞踊の苦手な私に折に触れアドバイスを下さり、そんなお兄さんがいらっしゃらないことは、大きな損失です。

お兄さんはシーバスリーガルがお好きだったのでそのお酒を横に置き大阪北新地のKというお店でお兄さんを偲んで飲もうと思ったところ、「ボトルがございます。」とお店の方が出してきて下さいました。いずれ巳之助君がそのボトルを引き継ぐことと思いますが、昨晩は横に置き献杯致しました。

改めてご冥福をお祈り致します。

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「寿(ひさし)さん」

2015年2月23日

昨夜、三津五郎さんの訃報を聞いたのが19時40分頃でした。
歌舞伎の慣例通り本名の寿(ひさし)さんとお呼びしていました。
友人と会食中でしたが早々に切り上げ東京行きの新幹線に飛び乗りご自宅に直行しお会いしてきました。

ご自宅二階の稽古場中央で眠るように横たわってらっしゃいました。
何故こんな事になってしまったんだろう。昨年の勘三郎追善興行の初日、「近江のお兼」の後に楽屋に入ってらして珍しく褒めてくださり、そしていかにもお兄さんらしい歌詞の説明と踊り方のアドバイスをして下さり楽屋を後にされたあれが最後の別れになるとは思いもしなかった。
必ずやまた同じ舞台に立てると信じて、今年の納涼も復活して頂けると信じていました。

静かに寝ていらっしゃるお顔に心で色々なことを話していると、悔しさが込み上げてきます。ノリアキさんとヒサシさんと2人がこんなに早く居なくなるなんて悔しくてたまりません。

巳之助君に一杯飲みたいと言うと、父がお酒やめていてビールないのでと言って深夜なのにお弟子さんを買いに走らせてくれ献杯をしお別れをしてきました。

今、早朝大阪に戻る新幹線の車中です。

まだまだ書きたい事は沢山有りますが、ご冥福をお祈りすると共にお礼を言って締めます。
寿さんありがとうございました。
そして安らかにお休み下さい。

合掌


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「2月襲名公演パンフレット」

2015年2月20日

2ヶ月目の襲名公演の舞台写真掲載のパンフレットを販売致します。

私がお名前を書いてサインをしたものをごご郵送致します。

一部¥1,700(送料・消費税込み)

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ご希望の方はお名前ご住所を明記のうえ
下記のアドレスに部数を添えてお申し込み下さい。
入金方法を折り返しお知らせします。入金確認後に郵送させて頂きます。

ご応募お待ちしています。
締め切りは25日千穐楽正午(12時)とさせて頂きます

suzumenokai@senjaku.com

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「再び「曽根崎心中」」

2015年2月14日

舞台が休みの雅行(勘九郎さん)君が一昨日松竹座を観に来てくれました。
目的は「曽根崎心中」です。
勿論他の演目も観てはいますが「曽根崎心中」は観たことがないのでということで大阪まで来てくれました。一世一代と銘打っつ2回目ですので恐らく今回が父の"お初"最後の可能性が高いのでそれもあると思います。

しかしそれだけではなく僕が強く誘ったのです。
この作品は以前にも書いていますが、父が1300回以上演じている役ですので他の方が手がけないも頷けます。専売特許というのでしょうか。
その中で私と甥の壱太郎はこの"お初"を今までに務めています。

この先の「曽根崎心中」を考えた上で、父が1300回以上演じたこの作品は宇野信夫脚色で原作とは決定的に違う部分があります。それは叔父の"久右衛門"を創作したことです。
近松門左衛門の原作には叔父の"久右衛門"は登場しません。
宇野先生の脚本ですと95分上演時間がかかります。しかし、原作通りに上演すると70分ぐらいになると考えています。
甥の壱太郎が既に演じていますのでこの宇野信夫脚色を継承してもらい、私は近松門左衛門の原作に基づく作品を創りなおしたいと常々考えていました。

その相手役に雅行君をと思っているのです。
終演後一緒に飲みながら彼の感想を聞くとともに色々な構想を提案し"徳兵衛"についてそしてこの作品と今の演出についてかなり深く長時間話し込みました。

遠くない将来の上演を是非実現させたいと思っています。

"お初"はホームページの表紙にしている役ですから。

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「「曽根崎心中」」

2015年2月14日

今回は"九平次"という敵役を務めていますが、ひと言で嫌な奴です。
役者ですから与えられた役を務めるのが仕事ですが正直演りにくい役ではあります。

と思っていたのですが、主役のお初と徳兵衛の悲劇を増幅させるためにはこの役の憎々しさが重要であることが演っていてよく分かります。
お客様のこの役に対する反発心が高まれば高まるほど2人の運命に同情し共感していくのだと感じています。

お初と徳兵衛を両方共演じているのでこの芝居に関しては自分なりの思いが強い演目です。
そういった意味では将来またお初を演じるときのために今回の"九平次"の経験は非常に役に立つと思っています。

"九平次"さん、彼には彼の良さがあるかもしれませんが友達には絶対なれないタイプですね。

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「「嫗山姥」」

2015年2月11日

昨日中日を迎えました。

初役で務めている「嫗山姥」の"荻野屋八重桐"は父が演れば演るほど楽しいと言っていたのがよく理解できる役です。
昭和58年に今回の演出を父が初演して以来今回の演出ではどなたも上演していません。
当時の演出は武智鉄二先生で振り付けは武智夫人の川口秀子先生でした。

この演目を務めていると歌舞伎は音楽劇だなと痛感します。お客様がそのリズムというか音に乗ってきていただくことが重要なので、義太夫との息がどれだけ合うかも大切になってきます。回を重ねるごとに義太夫さんとの息がどれだけ合うかが内容の充実に繋がっていく大きなポイントになっています。

この演目は65分の中に色々な要素が含まれていて変化に富み、またお客様に笑って頂ける部分もあり、そして最後は立回りも有りと歌舞伎独特の要素が満載です。立回りは立師と呼ばれる役者さんが手順を付けるのですが、今回は弟子の扇一朗が良い手を付けてくれたので、私が微調整をしましたが良い流れだと思っています。
これが面白く無いと歌舞伎そのものが面白く無いに繋がるような気がしています。
歌舞伎は本当に幅の広い演劇ですのでこの演目が代表的という意味ではありませんが、他の演劇にはない歌舞伎独自の醍醐味が多く含まれているという意味です。

25日迄連日休みなく上演していますので是非松竹座にいらして下さい。

公演のお問い合せは下記までメールにてお願い致します。

suzumenokai@senjaku.com

舞台面です。

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写真提供:松竹座

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「幹(みき)くん結婚おめでとう!」

2015年2月 3日

獅童さんの本名は小川幹弘(みきひろ)といい、彼が子供の頃からミキと呼んでいたので普段通りの呼び名で呼びます。

去年10月の勘三郎追善興行で久し振りに一緒になった時に来年開けたぐらいにはと言っていたのでやっと公にできて良かったです。
お母さん亡きあと心の支えになってくれる人ができて一層藝道に邁進してもらいたいです。
お母さんもノリアキさん(勘三郎さん)も喜んでるよ!

中村座でも一緒になる機会があると思いますし勘三郎の兄貴の意思をついで頑張っていきましょう。

今月松竹座で出ている「京人形」の奴とお姫様で共演したのを思い出しています。
彼が小学校高学年か中学入ったぐらいかまだ僕より背が低かった頃、何と僕が奴で彼がお姫様でした。公演中アクシデントで彼が腕を骨折したのですが、ギブスをしたまま出ますと言って舞台に出続けたのをよく覚えています。その頃から根性は座っていましたね。

彼はゴルフをしないのですが、アリゾナの勘三郎さんの別荘に芝居の稽古に来ていて、私と勘三郎さんがゴルフしている間カートの運転をしていたのですが、2人が勝負に熱くなってくるのを見て、「何でそんな思いをしてまでやらなきゃいけないの?」と渋い顔をしていて結果彼は今でもGOLFやりません。嫌いになったのは私達のせいです。すいません。

早く正式に紹介して下さい!
幸せに!


ヒロ兄より

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「三輪神社のお社」

2015年2月 1日

松竹座の屋上には三輪神社のお社が祀られています。

初日や千穐楽等折々にお参りしていますが、劇場を守ってくださっているというより劇場に関わるすべての方、即ちお客様も含めて全ての方の生活までも守ってくださいとお参りしています。
少し欲深いのですが。

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今月もお客様との良い関係が築けるよう毎日を努めたいと思っています!

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「2月大阪松竹座襲名興行初日」

2015年2月 1日

本日2月1日は曽祖父初代中村鴈治郎の命日にです。
そして昭和10年に亡くなった初代中村鴈治郎80回忌、そして二代目鴈治郎の33回忌にあたりその年に四代目鴈治郎の襲名が行われるのも巡りあわせでしょう。

今月の私は「嫗山姥」の"荻野屋八重桐"と「曾根崎心中」の"九平次"それに「口上」の3役。

「嫗山姥」の"荻野屋八重桐"以前にも書きましたが父の近松座で創りあげたものを継承します。
襲名は兄ですが、父祖の藝を継承していくという意味で選んだ演目ですので、私自身も気持ちは同じです。

「曾根崎心中」の"九平次"はまさか演るとは思っていませんでしたが兄の襲名ですので皆で盛り上げたいと思っています。
"お初"はホームページの表紙にもしている役ですので父が一世一代で演じたあとは1日も早く努めたいと思っています。恐らく原作に近い形で上演すると思います。"徳兵衛"も務めていますが、今回"九平次"を努めて改めて兄の"徳兵衛"と私の"徳兵衛"とは違う点がいくつかあることに気付きました。まず死を決意する瞬間が違います。原作から宇野先生が削った言葉を私が演じるときには復活しようと思っています。お初に対する愛情の種類も違うように感じています。これはおいおいお話致します。

25日の千穐楽ですので是非皆様劇場にいらして下さい。

公演のお問い合せは下記までメールにてお受けしています。

suzumenokai@senjaku.com


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