2018年1月記事一覧
「高麗屋三代襲名披露」
2018年1月26日
平成30年、今年も昨年に続き東京で新年を迎えることとなりました。
松竹座には昨年一度も出演が叶わず一昨年の新春歌舞伎以来大阪の舞台に立てておらず残念に思っています。
そして本年初春は高麗屋さんの三代同時襲名というおめでたい歌舞伎座の興行に出演を致しました。
本日めでたく盛況の中千穐楽を迎えました。
しばらくお休みしていましたブログを再開させて頂きます。
お待たせして申し訳ございませんでした。
今月の歌舞伎座では昼の部で「七福神」の"弁財天"を夜の部で「口上」と「相生獅子」の
"姫"を努めました。
「七福神」長唄のご祝儀曲として有名でよく素踊りで独り立ちで踊られるものですが、今回は本公演の為に曲や振り付けを新しく作ったもので、七福神全てが登場し大道具も大掛かりな宝船が出現して短い中にもお正月と襲名を祝う狂言となりました。
紅一点の"弁財天"で出演しましたが気持ちのよいもので襲名をお祝いできたと思っています。
そして22名の役者さんが居並ぶ「口上」は幕が開いた時のどよめきが耳に残っています。 襲名は本人は行事が多く又舞台も大きな役を先輩たちと努めなくてはいけなく、本人の苦労は周りの想像を超えますが、周囲で盛り立てていくことが歌舞伎の伝統なのではないでしょうか。 「口上」
この大人数は客席から見たら壮観だろうなと思い連日お辞儀をしていました。
ただ人数が多い分当然時間も長く正座をしていると足がしびれる事がありますが付いている手がしびれてくる経験はあまりありません。しかしそれも新しい門出のお祝いと思えば全く苦になるものではなくむしろ楽しんでしました。
本当におめでとうございます!
「相生獅子」の"姫"ですが平成17年の1月松竹座で孝太郎さんと踊って以来の再演です。
前回は一段ものとして上演して後に女形の毛振りをお見せしましたが、今回は「三人形」と上下の演し物となりましたので時間の関係上等で毛振りがなく残念というかお客様に申し訳ない気持ちでした。この場をお借りしてお詫びいたします。
次回上演の機会には必ず毛振りを努めたいと思っています。
写真:歌舞伎座
来月は二年半ぶりの博多座で初役の"渡海屋女房お柳実は典侍(すけ)の局"を努めます。
三大狂言の1つ「義経千本桜」の中で登場する女形の役では一番やりがいのある役だと思っています。若手のみんなと客様に満足していただく舞台を目指して博多へ行ってきます。