2018年10月記事一覧
「勘九郎さん誕生日」
2018年10月31日
10月31日は勘九郎さんの37回目の誕生日
渋谷の街はハロウィンでごった返していますが、中村座では勘九郎さんの誕生日を静かにお祝いです。
何しろ明日が初日で勘太郎君と長三郎君のことが気になり自身も三役出演しているので誕生日どころではないというのが本音だと思います。
虎之介と2人から"Supreme"のイニシャルを四分割したマグカップ(親子四人なので)と六代目勘九郎にちなんでNIKE AIR JORDAN 6 RETROをプレゼントしました。
洋服好きの虎之介のチョイスですが写真がなくてすいません。
気になる方はネットで調べてください。
明日から平成中村座初日です。
私も勘太郎君との初共演楽しみです。
皆様多くの方のご来場をお待ちしています!
「付人さん募集」
2018年10月30日
私、扇雀の楽屋での身の回りの世話や舞台に出るための諸々の手伝いをしていただく付人さんを新規募集しています。性別年齢は問いません。興味のある方は下記のアドレスにご連絡をくだされば折返し詳細をお話し致します。ご連絡お待ちしています。
「今日発売の「FRASH」インタビュー記事」
2018年10月30日
最近スポーツ界でバワハラとかいじめのようなことが多く報道されてますが、学生時代に体育会に所属していた私に当時の話をお聞きしたいという依頼があり、少し学生時代の話をした記事が乗っていますので読んでみてください。
「南座開場式と京都ヒストリカ映画祭」
2018年10月30日
26日に千穐楽を迎えた翌27日に、報道にもあるとおり耐震工事を終えて新装開場記念の南座でお練りをしてきました。
約三年の工事を経て装いも新たになった南座ですが建て替えではないので構造自体は変わっません。ですから楽屋は内装は一新されていますが懐かしい感じがします。
二階客席の上手側廊下には曽祖父の初代中村鴈治郎のブロンズレリーフが元のまま掛けてありほっとしました。南座に着くと最初に触りに行く場所です。
ぜひ皆様も一度ご覧になってください。実物大と聞いているのですが、そうでしたら曽祖父の顔は相当大きく立派だったようです。
歌舞伎役者が一同に舞台のひな壇にぎっしり並んだ開場式の景色は客席から見たらさぞ壮観だったと思います。
開場式に引き続き南座正面玄関から八坂神社に向かって封鎖された四条大通りをお練りです。歌舞伎座開場式の銀座大通りのお練もすごい数のお客様が沿道を埋めてくださいましたが、発表では15000人の方が南座から八坂神社までの短い距離を埋め尽くして下さって、ものすごい熱気でした。前日までの予報は雨天だったのですが、空は晴れ渡り最高のお練り日よりとなりました!
スタート地点で南座のまねきを見上げて
いざ出発
八坂神社からは警察の指導で封鎖された四条大通りをマイクロバスで一気に南座に戻っていきました。
その後、第10回京都ヒストリカ映画祭のオープニングレセプションとトークショウに出席してきました。
各国の監督や関係者とともに
プレミアム上演の内田吐夢監督「恋や恋なすな恋」が歌舞伎の「芦屋道満大内鑑」を題材にしていて葛の葉を何度か演じている私にお声がかかりました。
MCの飯星景子さんとのトークショウ
映画人ではない私は場違いな感じですが、この映画の中で大川橋蔵さんの舞踊「保名」がそまま映画の進行に使われていたり歌舞伎に深く影響を受けている作品ですので、声がかかったのだと思います。
日本映画の大スターは多くが歌舞伎役者出身というのもご縁があります。
また不世出の大スター長谷川一夫さんは曽祖父初代中村鴈治郎の弟子で、最初の奥さんは師匠の娘、すなわち祖父二代目鴈治郎の妹でしたので、私も浅からぬ縁を感じています。
玩辞楼十二曲の内「藤十郎の恋」を二度目に演じる前に長谷川のおじさんの映画「藤十郎の恋」を見て演技の上でも参考にして、衣装は真似をして新しいものを作ったんです。
このヒストリカ映画祭は歴史にまつわる作品を集めるのですが、日本映画と歌舞伎のつながりは以前は今と違って深いものがあったんです。
獅童くんや中車さんは今でも映画と深く関わっていますが、これからは歌舞伎役者ももっと歌舞伎のためにも数の減ってきた時代劇など出演してもいいのではないでしょうか。
全員歌舞伎役者で作る時代劇なんて面白いと思いませんか。
そんな事を思い新幹線で帰京して品川駅についたのは22時30分。
翌28日からは平成中村座の稽古。休む暇なしです。
「歌舞伎座夜話」
2018年10月22日
20日土曜日に歌舞伎座ギャラリーでの歌舞伎夜話に初めて出演してきました。
ご来場くださった皆様、改めて御礼申し上げます。
90分があっという間だったような気が致します。
素敵なセットが組んであり歌舞伎を愛してくださっている皆様に直接お話ができる機会は少ないので楽しいひと時でした。
ここでしか聞けないようなお話を沢山しましたので喜んで頂けたのではないかと思っています。
是非またここでお話をしたいと思う空間でした。
その時にお話したのですが、来月の中村座夜の部の「弥栄芝居賑」では普段と違う趣向を用意していますので楽しみにしていて下さい。
脚立に乗ってサインは初めてです。
歌舞伎座の客席からは写真NGなので貴重な機会ですね。
次回呼んでいただけるのを楽しみにしています。
ありがとうございました。
「10月歌舞伎座・舞台写真入番付」
2018年10月20日
十八世中村勘三郎七回忌追善大歌舞伎の舞台写真掲載のプログラムが劇場で販売が始まりましので、私がお名前を書いてサインしたものをご希望の方にご郵送致します。
9月ロシア公演の記事も掲載されています!
一部¥1.600(送料・消費税込み)
尚、劇場受け渡しご希望の方は引換希望とお申込みの際にお知らせ頂ければ定価¥1.300にてお渡し致します。
ご希望の方はお名前ご住所を明記のうえ
下記のアドレスに部数を添えてお申し込み下さい。
入金方法を折り返しお知らせします。入金確認後に郵送させて頂きます。
ご応募お待ちしています。
締め切りは25日千穐楽正午(12時)とさせて頂きます。
「「京都ヒストリカ国際映画祭」トークショーイベント」
2018年10月18日
10月27日に南座会場式に伴うお練りが発表されましたがその日に「京都ヒストリカ国際映画祭」のトークショーにお招き頂き出演致します。
こちらもご來聖お待ちしております。
https://www.kabuki-bito.jp/news/5025
お練りは八坂神社から南座までの四条大通りです。
10月27日14時30分開始てす。
「10月20日(土)18時30分」
2018年10月18日
歌舞伎美人に掲載されていますが初めて歌舞伎座ギャラリーの「ギャラリーレクチャー 歌舞伎夜話(かぶきやわ)」に出演します。
10月20日(土)18時30分
多くの皆様のご来場をお待ちしています!
「ロシア公演行ってきました」
2018年10月11日
8月の歌舞伎座公演を終え、当初今年唯一の休演月と決めていた9月ですが、昨年の夏にこの訪露公演の出演のお誘いを受け、人生初めてのロシアに行って参りました。
歌舞伎美人にも記事が掲載されていますので公演の詳細はそちらをご覧くださるとお分かりになると思います。
https://www.kabuki-bito.jp/news/4982
過去には何度が海外公演は経験していますがロシアは訪問も初めてで非常に楽しみにしていました。
一言で感想を申しますとロシア公演は期待以上の素晴らしい日々でした。
ロシアにおける日本年というイベントのプログラムの中に組み込まれ、同時にチェイホフ演劇祭にも参加というロシア側の受け入れ体制が整っていたことも幸いしました。
また今年度ロシアW杯が開催され世界から多くの外国人を受け入れる為に英語表記や英語メニューなどが数多く増え、移動や買い物などに全く不自由を感じなかったことも良かったのだと思います。何しろロシア語は読めません。私達の英語アルファベットの知識では解読不可能で文字化けと読んでいました。しかしロシアの方の英語はわかりやすく英語が母国語ではない者同士が英語を使うと、お互い理解しようという気持ちが強く働きわかりあえるのではといつも感じます。
今回はモスクワでとサンクトペテルブルグの2都市で計11回の公演で、連日現地の方が劇場を埋めて下さり、舞台上部の字幕も慣れているのか反応がよく芝居をしっかり楽しんで下さっていたと肌で感じました。15年前の訪露公演の時は日本語から英語、英語からロシア語に翻訳されたらしく伝わり難かったのでその教訓を活かして今回は日本語から直接翻訳したそうです。イヤホンガイドの方が一人いらして随時対訳を見ながらスイッチングをして下さったのも功を奏したのだと思います。
モスクワ:モスソヴィエト劇場のカーテンコール
モスソヴィエト劇場の外
モスソヴィエト劇場の入口の門
モスソヴィエト劇場の門から入ったアプローチ
モスソヴィエト劇場正面(アプローチから公園の中を歩いてその奥に静かに佇んでいます)
モスクワでは連日スタンディンクオベーションとなりカーテンコールでは多くの方がスマホをかざして前の方まで出てきて写真におさめて姿が微笑ましくもあり嬉しくもあり心に残る感動を味わうことができました。
サンクトペテルブルグのお客様はスタンディンクは一度しかなかったのですがブラボーの声を凄くかけて下さいました。
サンクトペテルブルグ:ボリショイドラマ劇場正面昼と夜
ボリショイドラマ劇場には花道が設置されました
モスクワは歌舞伎を本当に楽しみにして待っていてくださった感じでサンクトペテルブルグのお客様は歌舞伎を待っていたというより演劇としてしっかり集中して観ようという方が多かったのではと思っています。サンクトペテルブルグの劇場は通称BDTと呼ばれるボリショイドラマシアターという演劇専門の100年を超える由緒正しき劇場で、客席内に花道を作ってくださっていました。千穐楽の前の日にサンクトペテルブルグのフォーシーズンズホテル内のレストランに終演後行ったところ。そのお店のマネージャーらしき女性に今BDTに出演してきたと告げると、あなたはグレートサクセスをしたと驚きの表情で喜んでくれました。さしずめ歌舞伎座で外人が母国語で母国の演劇を上演したようなことだったのでしょうか。ちょっと誇らしい気持ちになったりお酒も進みました。
サンクトペテルブルグではあの有名なタス通信に呼ばれ記者会見をしてまいりました。
中村扇雀読めません
今回は「吃又」と「吉野山」の二演目を上演したのですが、音曲とともにドラマが進行したり舞踊劇にセリフがあったり、舞台上に音楽の演奏者が座っていたり、つけ打ちの音が突然入ったり、全員男だったり、何しろ自分達の常識の枠を超えたものを眼前にしてその時間を心底楽しんでいただいていたように思えます。「吃又」は奇跡が起こりハッピーエンドですので受け入れやすかったのだと感じています。外人の方は幕が開いただけでは通常拍手はいたしませんが「吉野山」では満開の桜の吉野山の背景を見て拍手が湧き上がっていたのには驚きました。素直に美しいと感じてくださったのだと思います。狐が人間に化けて自分の親の皮でできた小鼓を追っかけて主人の彼女のお供をしていてその主人は歴史に名を残した名将ということはお客様は理解していないと思いますが、何か素敵だったのだと思って頂いてるような気はしています。
サンクトペテルブルグの終演後のレセプションでロシア文化大臣より感謝状を頂き最高の思い出となりました。何が書いてあるのかはわかりません。
ロシアは寒い国だと勝手に思い込んでいましたが、モスクワは連日半袖で歩いていました。
ここでも異常気象のようです。
ロシアのドモジェドヴォ空港に到着した日は25度を超える暖かさで半袖で大丈夫
海外公演に行くと朝必ずその街を走ります。ジョギングですが、フルマラソンを2度完走している経験があるので走るのは嫌いではないのです。それに海外に行くと歩いてその街を知るのが一番なので必ず走っています。ニューヨーク、ボストン、ベルリン、ロンドン、ローマ等早朝は気持ちのいいもんです。どの街でも多くのジョガーとすれ違うのですが、モスクワはほとんど走っていません。何故でしょう。モスクワはマリオットグランドホテルに宿泊したのですが、そこから中心のトベルスカヤ通りを一直線に走りクレムリンを左回りで一周してボリショイ劇場を通り戻ってくるルートでおそらく6~7kmくらいだと思います。
サンクトペテルブルグはコリンシアネフスキーパレスホテルに宿泊しネフスキー大通りをエルミタージュ美術館に向かって直進しネヴァ川沿いを走りトロイツキー橋を渡りザヤーチィ島の周囲を走り宮殿橋を渡り再びエルミタージュ美術館に沿って河岸を走り抜けロシア美術館とミハイル宮殿の横を抜けネフスキー大通りに戻ってくるルートを走りました。8~9kmくらいでしょうか。走っいる人とすれ違いましたが少ないです。
ただエルミタージュ美術館の前の川でおじいちゃんが水泳のための準備運動をしていたのにはただただ驚きました。多分何十年も続けている健康法なのでしょう。まだ7時にもなっていませんでした!思わずiPhoneにおさめてしましました。
6:35分頃が日の出でしたのでまだ7時前です。
おじいさんと別れた後の早朝のキヴァ川、エルミタージュ美術館の対岸ザヤーチィ島
早朝の対岸からのエルミタージュ美術館
iPhoneのイヤホンのボリュウムスイッチがカメラのシャッターになるのご存知ですか?
元々絵を見るのは好きで、モスクワではプーシキン美術館、サンクトペテルブルグではモスクワ美術館、そしてエルミタージュ美術館を楽しみにしていました。
公演は連日19時開演ですので昼間はたっぷり自分の時間があります。
iPhoneのヘルスケアの歩数を見ると連日二万歩超えで、帰国時は出国より1.5kgは減っていました。
プーシキン美術館ではロシアにおける日本年の開催の為か日本画多く展示してあり図らずも写楽が二点尾形光琳や歌麿などが展示してあり思わず釘付けとなり海外で改めて日本文化の素晴らしさを再認識させられました。
プーシキン美術館
写楽・歌麿・光琳
エルミタージュ美術館では一番好きな画家カラヴァジオの絵が一点所蔵してあるのでそれだけを楽しみに行ったのですが、なんとフランスに貸し出していて不在でした。それを見るのが最大の楽しみだったのにかなりのショックでエルミタージュ美術館の本館を後にしました。中国人観光客の団体がものすごく多くダ・ヴィンチの前も人だかりで落ちていて見られず失意のまま新館に足を運ぶと、フランス人画家では唯一好きと言って良いマティスが三部屋にわたり展示してあり彫刻も数点あり、ピカソの展示の多さと失意の中から喜びに転じました。皆さん、エルミタージュ美術館は別館も必見です!お忘れなく。
そして今回はマーブル美術館というところで特別展をやっていた現代ロシア人の夫婦が強烈なインパクトで2度足を運んでしまいました。何が良かったのかは説明できません。
マーブル美術館
イゴール・ペストフとエカテリーナ・ペストフ
二作品だけお見せします。
賛否が分かれるというよりは苦手な方のほうが多いかも知れませんが、私はかなりの時間その展示室にいた気がします。テクニックと共にメッセージを感じようとしていたのだと思います。興味のある方はネットで見て下さい。作品を2点掲載いたします。
絵を見て歩くのは実に楽しいのですが中々釘付けにはならないものです。
しかし心が落ち着くというか美術館巡りは楽しい。
海外での楽しみは食事もそうでしょう。その土地に行って食文化に触れるのもその国を知る一歩ですよね。和食抜きが続いても大丈夫な方なのでその土地の料理やレストランに行くのはわくわくします。
英語メニューと共に写真を載せているレストランも多くこれは助かります。外国語の説明がよくわからず出てくるまでどんなものかドキドキして待っている経験は皆さん一度はおありだと思います。
ロシア料理のイメージはボルシチ、ピロシキ、サーモン、キャビア、ビーフ・ストロガノフそしてウォッカといったところでしょうか。
ちゃんとすべて食べてきました。予想以上に美味しい。どのレストランもえっなにこれというがっかりがない。これは嬉しい驚きでした。
日本がレストランのレベルは世界一だと思っていますが、ロシアもレベル高かった。長期に滞在する時の一番大事なことかも知れません。
今回の公演旅行が楽しい素晴らしい時間になったのもそのお陰かも知れません。
ただ、大使公邸にご招待いただいたときの日本蕎麦は日本を離れてから最初の和食だったので心にしみる美味しさだったのは、体が自然に欲していたのでしょう。
ラストナイトについに食べたキャビアは格別でした!
また第二弾も報告します。