2019年1月記事一覧
「千穐楽そして土屋主税の俳句2」
2019年1月27日
初春大歌舞伎は昨日千穐楽を迎えました。
多くの方にご来場賜り誠にありがとうございました。
改めて御礼申し上げます。
序幕の玩辞楼十二曲「土屋主税」は再三言っている通り大好きな演目です。
曽祖父を真似そして近づく事が目標でしたが、どこまで迫れたかは初代の舞台を知らない私には判断すら事は出来ません。答えの出ない目標ですがこれからも追い続けていこうと思っています。
そして土屋の舞台上で書く俳句を紹介してきましたが今まで掲載した以降のものです。
宿命を 喜びと成し 十二曲
雪中の 義士の魂 真直ぐにぞ
時来たり 雪に紛らせ 落涙す
瞳とじ 初代の姿 映し出す
果てしなき 初代も歩みし 芸の道
人の世の 儚き歩み 走馬燈
隣の吉良家の上野介さんの事を一度読みたく、彼にも言い分はあったのではないか、また義士たちも残した家族への思いを胸に切腹したのではないか。そんな思いです。
亡き人の 魂は今 共に有り
曽祖父、祖父、勘三郎の兄等々先人の方々の全ての方々を思ってのものです。
鴈治郎 ああ鴈治郎 鴈治郎
千穐楽はこれと決めていました。俳句とはとても言えません、、、しかし偉大な曽祖父に対する思いです。
父の米寿を記念した「寿栄藤末廣」も無事に終え、動きの少ない振りでしたが、父の舞台で放つオーラに圧倒されていました。毎日父は舞台を終え楽屋に帰る間で「いいお客様だね」と繰り返し口にしていましたので、舞台に立てることやお客様方の温かい拍手を心から感謝すると共に喜んでいたのではないかと思います。
父にとっても思い出深い舞台になったのではないでしょうか。
そして「白鷹の精」
愛之助さんの通し狂言に8分だけの出演でしたが、鬘も工夫して作り直し物語の中でインパクトを与えられたのではないかと思っています。
千穐楽を迎え16ヶ月ぶりの休みにはいりました。
3月以降のために充電してまた舞台に臨みます。
「初春大歌舞伎写真入り番付」
2019年1月21日
今月の舞台写真掲載のプログラムが劇場で販売が始まりましので、私がお名前を書いてサインしたものをご希望の方にご郵送致します。
一部¥2.100(送料・消費税込み)
尚、劇場受け渡しご希望の方は引換希望とお申込みの際にお知らせ頂ければ定価¥1.800
にてお渡し致します。
ご希望の方はお名前ご住所を明記のうえ
下記のアドレスに部数を添えてお申し込み下さい。
入金方法を折り返しお知らせします。入金確認後に郵送させて頂きます。
ご応募お待ちしています。
締め切りは26日千穐楽正午(12時)とさせて頂きます。
今月は初代鴈治郎すなわち曽祖父の描いた富士山が表紙です。
竹内栖鳳に習っていた曽祖父ですので素人の域を超えています。
ぜひお手元に!
「3月公演情報解禁」
2019年1月18日
お正月のNHK のインタビューで先の予定を聞かれ口ごもってしまった公演の情報が解禁にななりました。
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2018/3182.html?lan=j
国立小劇場に久しぶりに出演致します。
真山青果作「元禄忠臣蔵・御浜御殿」
徳川綱豊卿
自分でやりたい役を書き出しているのですが、全く記載していなかった役です。
国立劇場の方から演目の相談を受けた時は、えっ、と聞き直しました。
しかし自分でも思わないことを考えてくださったことが運命と思いこの演目に決めました。
4月の金丸座の「吃又」又平もそうなのですが、今年は新たな挑戦が始まった感じがします。
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/other/play/601
新たな挑戦ですので、是非ご覧になって頂きたいと願っています。
「土屋主税の俳句」
2019年1月17日
劇中で土屋公は都文公という俳名を持ち俳句が好きな設定となっています。
ですので劇中舞台上で討ち入りが始まってから短冊に俳句を毎日書いています。
襲名と 年重なりし 鎮魂歌
本日1月17日の24年前阪神淡路大震災が起こり大阪中座で扇雀襲名披露公演中の私は心斎橋のホテルの30階で就寝していました。その瞬間は今でもよく覚えています。
震災からの年月が扇雀を襲名してからの年月なのです。
ですから今日は役を離れ現実の句を書きました。
楽屋に並べているので今日までのものを恥ずかしながらご披露します。
舞台で手に持ちながら書くので乱筆はお許しください。
舞台上で思いつくものや考えていたものなどまちまちです。
俳句は習ったことありませんのでその点ご容赦下さい。
思いつくままです!
何しろ劇中ですので、、
曽祖父の おもかげうつす 庭の雪
初夢に 初代の生の 声を聞き
土屋公 四代を見つめる 雪兎
曽祖父と 同じ雪見て 筆をとる
浅野家の 無念を晴らす 太鼓の音
月灯り 武士の魂 導きて
成駒の 血を受け継ぎて 土屋公
果てしなき 祖父の歩みし 芸の道
手を焙り 初代の姿 我に乗せ
月灯り 大願成就の 力となり
空蝉に 武士の魂 今一度
時となり 悲願の涙 雪溶かす
初春に 精進ちかう 芸の道
襲名と 年重なりし 鎮魂歌
「土屋主税」
2019年1月17日
玩辞楼十二曲「土屋主税」
初春からこの演目が務められることの幸せに連日浸っています。
玩辞楼十二曲の中でも特に好きな演目でこの役はお家芸中の中のお家芸と言っていいと思います。曽祖父の創ったこの演目は曽祖父の形が残りそれを継承してきています。
曽祖父初代鴈治郎の「土屋主税」
祖父二代目鴈治郎の「土屋主税」
そして私
この役には数々の工夫や言い回し形が曽祖父から継承されています。
曽祖父と祖父は音声だけが残っています。映像はありません。
曽祖父の音声もレコードですので当時は舞台録音の技術がなくマイクに向かって録音したものですので実際の舞台を再現したものではありません。
しかし、曽祖父から祖父そして父にその演技は脈々と続いています。
それを継承する楽しさは格別です。
舞台上で曽祖父を肌で感じこの作品を世に出してくれた感謝にひたり連日舞台に立っています。
女形中心に勉強をしてきましたが目指していたところはここかもしれません。
心から大好きな役です。
「演劇界2月号届きました」
2019年1月10日
演劇界の最新号が楽屋に届きました。
店頭販売も始まってあると思います。
昨年の京都南座顔見世の父との新口村のワンカットです。
篠山紀信さん、私たちは普段'「巨匠」と呼ばして頂いてますが素晴らしい記念になる写真です。
是非書店で手に取って見ていただきたいと思います!
「「こいつは春から〜初芝居生中継〜」」
2019年1月 2日
本日1月2日19時〜21時30分
NHKのEテレ
「こいつは春から〜初芝居生中継〜」
恒例の初芝居中継があり21時頃から終演後の生インタビューに出演致します!
舞台中継と共にご覧下さい!
「初詣」
2019年1月 1日
明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
恒例の大阪での初詣はお初天神こと曽根崎の露天神社に父とともに行って来ました。
父の一番思い入れのある役である「曽根崎心中」のお初の像が境内に設置してあり父はその像を触るのが恒例になっています。
父が寄贈したものです。
その後私は「夏祭浪花鑑」の上演でお世話になった福島天満宮の寶来さんのところに初詣に行き今年一年の無病息災を祈願してまいりました。
このハードスケジュールの中、あれもこれもと欲を出さず健康以外は願うことがなくなってきています。
健康な肉体かなければ皆様に何もお見せできないからです。
しっかり初詣してきました!
今年も宜しくお願い致します。