中村扇雀の公式ブログ

「令和2年初春大歌舞伎大阪松竹座初日」

2020年1月 3日

令和になって最初の新年を迎え例年より1日遅い初日を本日3日に迎えました。

本年も宜しくお願い申し上げます。

今年は還暦、子年生まれの年男です。12月誕生日ですのでほぼ1年間は59歳ですが節目の年
を迎えました。
そして扇雀襲名から25年目となります。父は二代目として50年間扇雀を名乗っていましたのでやっと半分にたどり着いたことになります。
今年は成田屋襲名やオリンピック・パラリンピックの年となり歌舞伎界も例年と比べ数々のイベントが控えています。

さて、松竹座の新春の公演は曽祖父初代鴈治郎の作った「九十九折」で幕を開けます。
新しい物好きの曽祖父が何か趣向をと常に考えていた中で作り上げた当時の新作歌舞伎です。新口村の義太夫に乗せての幕切れは上方らしさを大事にした曽祖父らしい演出です。
幸四郎さんと壱太郎そして愛之助さんと年代の揃った3人の舞台です。
そして「大津絵道成寺」は愛之助さんの変化舞踊で華やかな舞台がお正月気分を盛り上げます。虎之介が犬の役で愛之助さんの座頭と絡みます。部屋子の祥馬も関西の4人の部屋子の1人として唐子役で出演致します。
3つ目の「酒屋」のお園と三勝の二役に私は出演致します。
事前の報道でご存知かと思いますが父の藤十郎が休演となり私が三勝も務めることとなりました。先月京都南座公演中に転倒して腰の骨を骨折していたのですが、お役が慶寿院でしたのでコルセットをしたまま座って舞台を務めておりました。三勝も衣装を付けてのお稽古をしたのですがやはり立っていることが辛く出演を見合わせる運びとなりました。
東京に戻って治療に専念させて頂きます。皆様にはご迷惑をおかけいたしましてこの場をお借りしてお詫び申し上げます。
このお園の役はかねてから演じたい役の一つでした。「今頃は半七さん」の台詞で有名な子の役は切ない女心を義太夫に乗せて演じる上方ならではの演目です。初役で務めますが父のお園を三勝を務めたときにずっと見ていましたので初役のような気が致しません。
父はお園と半七の2役を務めるやり方ですが計らずも今回は三勝との2役を務めることとなりました。これは先代歌右衛門の叔父さんもなさったやり方です。
離れた夫をじっと想う心が伝わることを目指していますので是非劇場へお運び下さい。
昨年は立役が多い年となりましたが年初から上方の女方の代表的な役は楽しみです。

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華やかさには欠ける演目ですがじっくりとドラマを味わって頂きたしと思っています。

夜の部は愛之助さん演じる義経千本桜の「四の切」で幕を開けます。これぞ歌舞伎という演目ですのでお正月にふさわしい演目です。
2番目の父が坂田藤十郎襲名の時に復活させた「夕霧名残の正月」で兄の鴈治郎が務める藤屋伊左衛門の相手、夕霧を務めます。
「吉田屋」の原型にもなった演目です。時間は短い演目ですでに死んでしまった夕霧の部分は舞踊のような構成で今回は振り付けの藤間御宗家と相談してまさに夢の中の幻想のような場面に創り上げました。
一瞬の伊左衛門の夢です。
そして追い出しの3つ目は幸四郎さんの作った「大當り伏見の富くじ」。
昨日舞台稽古を拝見しましたが新作歌舞伎を念頭に理屈抜きに楽しんで下さい。
いろんな趣向あり兄の女方も珍しく最後は宝塚のようなフィナーレが待っています。

本日から27日まで大阪松竹座。幕見席もありますので是非劇場で歌舞伎の世界を楽しんで下さい。お待ちしてます。

https://www.kabuki-bito.jp/news/5967/

本年も宜しくお願い致します!

写真:松竹株式会社


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コメント

初日おめでとうございます。
昨年も各地でたくさん楽しませていただきました!
ありがとうございました。

藤十郎さんが骨折されていたとはびっくりです。
新年から休演というのはとても残念ですが、ゆっくりお休みして回復されますように。
本年も扇雀さんにとって幸せな年になりますようお祈り申し上げます。

初日、おめでとうございます。
公私ともに実りある一年になられますよう、お祈り申し上げます。
松竹座、22日夜と24日昼に観劇予定です。
少し先になりますが、楽しみにしております。
(南座顔見世は25日に観劇致しました。扇雀さんの凛々しい女方、素敵でした)

お父様、お大事になさってくださいませ。

初日おめでとうございます。
今年の歌舞伎観劇も松竹座から。様々な演目があり、楽しみにしています。
2020年益々のご活躍をお祈り申し上げます。

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