2021年1月記事一覧
「阪神・淡路大震災」
2021年1月17日
1995年1月17日は扇雀襲名興行のスタート大阪中座での公演中でした。
5時46分、当日は心斎橋にあるホテルの上層階に宿泊していたのでビルが折れるのではないかと言う程の揺れを体験しました。自然災害は突如として降りかかります。被災された方々の苦しみは共有することは出来ませんが、舞台を通して心のの癒しになれることを願っています。
あれから26年。
この日が来ると扇雀襲名からの年月を改めて思い起こし、長かったのか短かったのか、還暦を迎えその後に経験した事が役者の人生に生きてきているのか。時間を無駄にせず生きて行こう。そんな思いです。
「「夕霧名残の正月」」
2021年1月16日
コロナによる緊急事態宣言を受け歌舞伎座3部の開演時間が繰り上げとなりましたが、収容人数を制限しながらの上演は許可され、昨年のような公演中止に追い込まれなかったことは演劇界にとっては朗報です。
中日も過ぎ舞台写真入りパンフレット販売も再開されましたので舞台写真を何点が掲載します。
前回の夕霧とは着付けの色と内側の色を双方とも変えて、掛けの丈を伸ばしました。
私の出演部分の演出はほぼ変えずに努めています。
今回の「夕霧名残の正月」は坂田藤十郎を偲ぶと題して上演させて頂いています。
父はこの演目で藤屋伊左衛門しか努めていないので、夕霧はもし父が努めたらどうな風だったかと想像しながら夕霧になっています。
先月の"吃又"のおとくも劇評にもう少し情が濃く出れば藤十郎の至芸に近付けると書かれましたが、父を意識しつつ自分なりの物が出来るかが今後の目標になっていくのでしょう。
しかし、成駒屋代々が持っている家の味のような物。二枚目を中心とした芸風といった物がベースになっていなくては自分の目指しているところには行けないのでしょう。それがどこなのか、なんなのかを探して行く還暦からの旅の始まりです。
「久しぶりに舞台写真入りパンフレット販売」
2021年1月16日
今月の舞台写真掲載のプログラムが17日から劇場で販売が始まります。
ご希望があれば私がお名前を書いてサインしたものをご郵送致します。
一部¥1,800(送料・消費税込み)
尚、いつも行っていた劇場受け渡しは今回、コロナの為できませんので、郵送のみの受付となりますのでご了承下さい。
ご希望の方はお名前ご住所を明記のうえ
下記のアドレスに部数を添えてお申し込み下さい。
入金方法を折り返しお知らせします。入金確認後に郵送させて頂きます。
締め切りは27日千穐楽正午(12時)とさせて頂きます。
コロナの影響で対面販売も出来ない状況が続いていましたがやっと舞台写真入りのパンフレットの販売が再開されましたので、劇場にいらっしやれない方にも是非舞台の雰囲気をお手元で楽しんで頂けたら幸いです。
皆様のご応募お待ちしています。
「「THE BEST LIVE 祭響 DRUM TAO」」
2021年1月13日
12日は昨年から歌舞伎公演にもようやく設けられ休演日の第一回目。
去年までの25日間休まず働き続ける事が当たり前の日々は過去のこととなり、今ではよく続いて来たなと我ながら感心してしまいます。ありがたい休日です。コロナ禍で精神的にも疲弊している今は特に必要かもしれません。
その休日を利用しいつもより長めの時間をジムで過ごし、19時から兼ねてから念願だった「THE BEST LIVE 祭響 DRUM TAO」公演をオーチャードホールで観劇。
衣装をデザインしたコシノジュンコさんの紹介でDRUM TAOを知り数年前から見たかったのですが、本拠地は大分で東京公演もなかなか時間が合わずやっとその圧巻のパフォーマンスに触れることができました。
90分休憩なしの演奏はプロ集団の魂の叫びに触れることができ至福の時間を堪能しました。
演奏以外にも肉体を使った数々のパフォーマンスも素敵でした。扇に長い布をつけてサラシのように使っていたのは歌舞伎でも使えるなと役者は欲深い気持ちになってくるものです。
ラスベガスでも通用する内容だったと感じました。
常時大分のTAOの丘という屋外ででパフォーマンスをしているそうですが、屋内での公演用iシルクドソレイユのような様々な演出も可能性があると感じてカーテンコールの演奏を聴いていました。
そのカーテンコールは録画、写真撮影ありにしてるのもとてもお客様に親切で皆さんの気持ちが伝わり良いサービスです。
しかし劇場は1席おきで50%以下の収容率は寂しい限りでカーテンコールも声も出せない状態は演者からすると寂しいかぎりです。その上時短要請の今、終演後は公演について飲みながら語ることもできず、その時間のためにも改めてコロナ収束の為の個々の努力の必要性を実感しつつ帰路に。
昨日の公演が配信ライブになるとのことですので情報を掲載します。
興味のある方は是非ご覧下さい!
公演は残り今日と明日です。
「1月8日誕生日」
2021年1月 8日
今日は幸四郎君と長男虎之介の誕生日です。
ちなみに関係ありませんがエルビスプレスリーと小泉純一郎元総理も今日が誕生日。
EXILEのGENERATIONSに所属してる玲於君も誕生日が一緒で虎之介が友達のようです。
僕も同じ誕生日の友人がいるのでなんか運命共同体のような親近感を覚えるんです。
年に一回の誕生日はどの年代でも特別な日かも知れません。
自分の年齢によって感じ方はかなり違ってくるのでしょう。でも自分が生を受けたことを感謝する日には違い有りません。感謝というかそれを実感する日でありたいと思います。
人それぞれその人だけのストーリーがあるはずで、当事者は他でもなく自分自身一人です。
役者は舞台で自分以外の人間の人生に入り込んで行くわけですから、物凄い創造力(想像力)を必要としてきます。一つのセリフに無限の言い方がありその中から一つをチョイスして発するセリフには発した者の責任が伴ってきます。
虎之介の誕生日なのに堅苦しい理屈っぽいことを食後に考え思いにふけっていました。
その時間がつまらなかったり楽しかったり。コロナで時間の使い方が変わり、普段より考えること(妄想も含め)に時間が多く費やされてる気がします。
その中身は年齢と共に変わっていき今では父の旅立ちを経験しいつか来る旅立ちに向かって最低限しておきたいことなど考えたりします。
どちらにせよ睡眠時間は相変わらず短い日々です。
先が見えない不安は皆さん同じだと思いますが、ここまで長引くと楽観的な性格の私でも良い方向に思いが向かなくなってきます。
政治家の皆さん、マスコミの皆さん。そこがポイントだと思います。
ところで、虎之介が歌舞伎以外でも可愛がってもらっているNIGO®︎さんとこんな仕事もしています。
好きな気持ちが高じて人生の中で深く関わること。
この気持ちは大切です。
「令和3年初春大歌舞伎初日」
2021年1月 2日
コロナ禍の中、新しい年の初日を迎えました。
今月は藤十郎を偲んでと題して「夕霧名残の正月」を例年の松竹座と違い歌舞伎座にて上演し"扇屋夕霧"を努めます。
昨年11月12日に没した父が、231年ぶりに復活襲名した坂田藤十郎の初代が当てた狂言を現代に甦らした演目です。
初演の資料はほとんどなく一から作り直した作品で舞踊劇としての色合いが濃いい作品です。「吉田屋」と違って夕霧が亡くなった後に伊左衛門が訪ねてくる設定になっていますので、前回の上演から夕霧の登場を夢の中の設定としてその部分を色濃く出しています。
昨年1月の松竹座で努めた時の写真です。
今回は衣装を着付けの裏側や掛けの寸法など前回と多少変えています。
先ほど緊急事態宣言を国に要求というニュースが流れましたが、無事に千穐楽まで努められることを願って歌舞伎座に向かいます。
ちなみにこの扇屋は大阪新町に実在し。曽祖父初代中村鴈治郎の実母妙はその扇屋の娘でした。私の家にも由縁の深い家なのです。
皆様のご来場を歌舞伎座にてお待ちしています。
「今年もよろしくお願いします」
2021年1月 1日
大晦日にコロナ感染者の数を大幅に増やして年が変わり
前途多難の年始となりましたが、喪中ということもあり賀詞は控えさせていただきます。
今月5日発売予定、父の追悼特集をして頂いた演劇界の最新号が一足先に届き、昨夜一読いたしました。
皆様のお言葉に在りし日の父を改めて思い出し、気持ちも新たに清々しく快晴の元日の朝日を眺めています。
明日からの歌舞伎座の初日
ソーシャルディスタンスや大向う禁止などの制約は続きますが、新春を劇場で過ごして非日常の世界で心のリフレッシュを多くの方にして頂きたいと願っています。
父の在りし日を偲んで頂けたら幸いです。