中村扇雀の公式ブログ

「「夕霧名残の正月」」

2021年1月16日

コロナによる緊急事態宣言を受け歌舞伎座3部の開演時間が繰り上げとなりましたが、収容人数を制限しながらの上演は許可され、昨年のような公演中止に追い込まれなかったことは演劇界にとっては朗報です。
中日も過ぎ舞台写真入りパンフレット販売も再開されましたので舞台写真を何点が掲載します。
前回の夕霧とは着付けの色と内側の色を双方とも変えて、掛けの丈を伸ばしました。
私の出演部分の演出はほぼ変えずに努めています。

今回の「夕霧名残の正月」は坂田藤十郎を偲ぶと題して上演させて頂いています。
父はこの演目で藤屋伊左衛門しか努めていないので、夕霧はもし父が努めたらどうな風だったかと想像しながら夕霧になっています。
先月の"吃又"のおとくも劇評にもう少し情が濃く出れば藤十郎の至芸に近付けると書かれましたが、父を意識しつつ自分なりの物が出来るかが今後の目標になっていくのでしょう。
しかし、成駒屋代々が持っている家の味のような物。二枚目を中心とした芸風といった物がベースになっていなくては自分の目指しているところには行けないのでしょう。それがどこなのか、なんなのかを探して行く還暦からの旅の始まりです。

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コメント

オンデマンド歌舞伎で夕霧拝見しました。
切なく儚く、艶やかさもあり色あいも素敵でした。
配信は表情や姿、衣装の細部など劇場ではあり得ない近距離で拝見できるのですが、たとえ遠目でも役者さんを感じることができる劇場とは全く違うものです。そんなさみしさを覚えつつ、翌月には歌舞伎座の舞台を何度も観ることができる事に感謝をしながら、コロナが終息する事を願うばかりです。歌舞伎座の幕が開き続けますように。

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