2021年10月記事一覧
「偲ぶ会御礼」
2021年10月29日
昨日オークラ東京の平安の間において昨年11月12日に永眠いたしました父坂田藤十郎を偲ぶ会を催させて頂き多くの方にご参会賜り心から御礼申し上げます。
華やかな祭壇そして篠山紀信さんの2.5mの特大パネルをはじめ多くの皆様にご協力頂いた数々の写真に彩られ華やかな会になりました。長年スターの座に居た父を送るにふさわしい会を皆様のご協力のもと開催でき家族として喜んでおります。
コロナの影響で約一年皆様の前でご報告ができていませんでしたが、葬儀という形よりこの偲ぶ会という形式の方が父には似合っていたのかもしれません。生涯運勢の強かった父らしいなと思ったりもしていました。
読経とお焼香の香りがちこめる静まり返った葬儀ではなく、参会の多くの皆様と母は言葉をかわし直接感謝を伝えられたのも不幸中の幸いでした。
改めてお運び下さった皆々様に御礼申し上げます。
ありがとうございました。
そして会場入り口の曽根崎心中のパネルです。
12月京都南座顔見世興行において追善狂言として曽根崎心中のお初を務めることとなりました。父が1400回以上務めた最大の当たり役をまさにこのパネルの役を勤める事となり、やっとこの時が来たなと言うのが本音です。
私も過去2回勤めていますが、父がずっと離さない役でしたので、私自身は継承する意欲はあったのですが、もう演じることはないかな、甥の壱太郎に譲ろうかななどとも思うことは正直ありました。しかし、父の死という現実の中、役を継承することとなり、新たに私の曽根崎のお初を見たいと思って頂ける舞台を創らなくては伝統は守られません。歌舞伎役者をやっていてもっとも大切な局面を迎え、顔見世の初日が扇雀襲名の初日よりも重大になったと痛感しています。
撮影:小林正明
「納骨」
2021年10月29日
本日鎌倉霊園で父の納骨を致しました。
昨年11月12日に永眠し約一年自宅でこの時を待っていました。
コロナという非常事態で例を見ない長居を自宅でしてしまいましたが、やっと本人も落ち着いたと思います。
快晴の天気に恵まれ霊園からは滅多に見られない富士山が、澄んだ空気の向こうにくっきり現れ納骨という儀式にも関わらず、なぜか清々しい気持ちになり華やかだった父の人生を象徴しているようでした。
家族と一門に見守ら新たな安住の地に収まり、ありがとうの声が聞こえてくるようです。
本音はまだ入れんといて〜だと思いますが時の流れは戻らず止まらないものです。
いづれ止まってしまう自分の時間を大切に過ごさなければと改めて感じる納骨でした。
「頰被り」
2021年10月26日
国立劇場10月公演が千穐楽を迎えました。
ご来場の皆様誠にありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。
8月の二役そして今月と立役が続いていますが、今月の「伊勢音頭」の今田万次郎は上方の典型的な和事の役でしっかりとその空気感をお見せできたのではないかと思っています。
その中でも頰被りをする事が毎日楽しく「頰被りなかに日本一の顔」と川柳で詠まれた曽祖父初代鴈治郎を思いつつ頰被りをしていました。
人目を偲んで歩く意味を持っていますが、その中に色気が醸し出されなくてはならないと思っています。これは床山さんにアシストしてもらいながら自分で結んでいきます。
顎の下のかける部分や、眉毛をどのくらい見せるかなど役者それぞれの個性が出るものです。
こんな感じで頰被りをしていきます。
「坂田藤十郎 偲ぶ会 10月28日(木)13時〜15時」
2021年10月26日
坂田藤十郎 偲ぶ会
令和3年10月28日(木)13時〜15時
オークラ東京プレステージタワー1階 平安の間
東京都港区虎ノ門2-10-4
TEL03-3582-0111
昨年令和2年11月12日に亡くなりました父坂田藤十郎を偲ぶ会をとり行います。
コロナ禍により密葬のみとり行い納骨を済ます事もできず月日が過ぎてしまいました。
ようやく緊急事態宣言が全国的に解除されたことを受け、オークラ東京様のご協力の中
父を偲んで頂く会を、一周忌目前に開催させていただく事となりました。
広く多くの皆さまに献花して頂ければ父も喜ぶ事と思います。
限られた時間ではございますが父の舞台姿を偲んでいただきたく、皆様のご来場をお待ちしております。
平服、マスク着用にてお運び下さい。
マスク無しでのご来場は、時節柄お断り申し上げますので予めご了承下さい。