2021年12月記事一覧
「古典芸能への招待」
2021年12月26日
本日26日の21時から「曽根崎心中」の放送がございます!
ご覧下さい!
ギリギリですいません。
「公益社団法人 日本俳優協会より寄付のお願い」
2021年12月25日
私も理事を務めます「公益社団法人 日本俳優協会」で寄付を募っています。
このコロナ禍において運営資金の根幹である「俳優祭」が開催されず
松竹からの出演料の削減が続く中、歌舞伎存続の為に広くご寄付を募る事と理事会で決定いたしました。
公益社団法人へのご寄附は、個人でも法人でも税制上の優遇措置を受けることができます。
皆様のご協力を心よりお願い申し上げます。
詳しくは下記ページをご覧下さい。
「11月「赤坂歌舞伎」配信情報」
2021年12月24日
https://tickets.tbs.co.jp/asp/evt/evtdtl.aspx?ecd=TBS10001
TBSチケットによる「赤坂大歌舞伎」の配信チケット販売をスタートしています。
明日12月25日〜1月10日期間限定配信です!
公演ご覧になれなかった、そしてあの興奮をふただび味わいたい方。
お見逃しなきようご案内いたします。
立役、女方の両方の扇雀をご覧下さい。
「顔見世千穐楽」
2021年12月24日
昨日顔見世興行が千穐楽を迎え本年度の全ての舞台が終わりました。
1月公演の稽古は残っていますが、お客様の前での仕事としては仕事納めです。
今年も1年間コロナ禍で劇場に足を運んで下さった皆様に心から感謝申し上げます。
一年の締めくくりで曽根崎心中のお初を父の追善として上演できたことは大きな喜びであり
上方歌舞伎の継承という責任を強く感じた公演でした。
その為に必要なことは、お客様に良い舞台を提供し役者もしっかり勉強していくことに尽きると痛感しています。コロナでこの2年間演劇業界は大打撃を受けました。大向うの無い歌舞伎、座席に空間のある歌舞伎、舞台上で奏者が黒い布で顔を覆う歌舞伎。演者としてのストレスは私たちにしかわからないことですが、お客様の不安も理解できます。我慢の日々は続きます。こんな時だからこそ芸術や文化の力が必要だと信じて疑いません。
師走の京都顔見世の千穐楽には南座ロビーの曽祖父に感謝の挨拶をして京都を離れます。
父が亡くなり成駒屋の芸を継承することを誓って父の生まれ故郷で大好きな京都に別れを告げ京都駅八条口へ。
今月も数多くの方に暖かく迎えていただき、お料理、お酒、おもてなし、感謝の心でいっぱいです。
お会いできなかった友人も多々あり後ろ髪をひかれながら京都駅で茨木屋さんの蒲鉾のおつまみを買い、新幹線のホーム真ん中にある売店で生ビールを持ち込み用の袋に入れてもらい、独り新幹線の座席へ。
「61歳」
2021年12月20日
12月19日で満61歳を迎えました。
還暦からの一年はあっという間でした。
父の死後一年でやっと父を納骨できたことが節目となり気持ちも新たに歌舞伎に接しているような気がします。
恒例の皆が作ってくれる楽屋のデコレーションが何とも幸せな気持ちになります。
恒例の甥の壱太郎からの演目に因んだケーキはいつもながら工夫を凝らしてくれてありがとう。お初の除幕の衣装の色と柄を模して簪が挿してありました。
末富さんから頂くの和風ケーキ
そして大好きなキルフェボンのケーキは虎之介から
気持ちも新たにあと4日間のお初に臨みます。
「「曽根崎心中」」
2021年12月15日
南座顔見世興行にて坂田藤十郎三回忌追善狂言として「曽根崎心中」を兄の鴈治郎と上演させて頂いてます。14年振り3度目の"お初"です。
1階ロビーの鴨川側で父の舞台写真の展示もしていますのでご来場の際には是非ご覧下さい。
楽屋の化粧前には篠山紀信さんの撮ってくださった父の"お初"の写真を置き舞台に臨んでます。
父が亡くなったのは昨年の11月12日ですが顔見世は来年の干支寅年の興行という位置付けですので三回忌追善となります。
追善と銘打って父が1401回努めた"お初"を演じることは役者として名誉なことでもありまた重責を担うことです。
"お初"は14年前に演じて以降何度か演じたいと思った時がありましたがお父様の許可を得てくださいと松竹制作の方に言われ何度か諦め、そのうちに壱太郎が演じた時にもうこの"お初"は演じる機会が無くなったのではと感じて頭の隅に追いやっていました。
実は今回の上演で幕切れの演出を新しくしているのですが、これは私が次回演る時には必ず取り入れようと心に決めていた演出です。
父と兄の「曾根崎心中」ロンドン公演を客席で見ていた時に、カーテンコールは何度も続いたのですがスタンディングオベーションにならず、その疑問を一緒に見ていたイギリス人の方にぶつけると、「芝居が終わってないからだよ」と即答されたのです。死ななかったじゃないって言われ時に次回僕がやる時には死のうと決めた瞬間でした。イギリス人と日本人の感性が違うことを考慮しても僕の中では死ぬ演出が脳裏をよぎりました。
父には一度もその話はしませんでした。父は初演からの宇野信夫先生の脚色された台本と演出を生涯貫いていたのです。途中で幕切れに死のうとは一度も思はなかったのではないかと今では想像するしかありません。
私自身は最後の道行は追い詰められた2人にとって離れ離れになりそれぞれ捕まったり、嫌な男に身請けされたりするよりは永遠に2人でいられる最高のハッピーエンドと位置づけたかったので終始塞いでいる事はなく、時折笑顔を見せています。そして、死を見せることでそのハッピーエンドが成就するという思いで連日舞台に立っているのです。
「恋の手本となりにけり」という宇野先生の幕切れは、近松門左衛門の「森の露とちりにけり」から変えられています。そして初演からこの「曽根崎心中」の鬘は、現代劇で使われる網のかつらを使用してるのですが、歌舞伎の女方というより女優さんが演じるように作品を作り上げようという意図があったのではないかと拝察しています。
私は近松の原作に少し近づけた一つの新しい試みですが、自分自身の感触は良く、この先再演の機会があったらもっと練り直して、近松の原作に近い形での上演もひとつの選択肢ではと思っています。
そうすると60分で完結するのでより上演頻度が増えるのではないかとも思ってもいます。
古典の作品でも初演の時のように練り上げる作業を続けていきたいのが私の作品に向かう基本になっているのです。
23日の千穐楽まで日々"お初"を体で感じて父が通った道を引き継いでいく責任感をかみしめています。
「「そのとき歌舞伎は世界を席巻した 〜十八代目 中村勘三郎の挑戦〜」」
2021年12月 6日
昨日の命日は勘三郎さんも親しかった鳥居本のご主人夫妻と故人を偲んで献杯をしていました。そのお兄さんの番組が明日放送されます。私もインタビューを受けましたので一部放送される予定ですのでお見逃しなくご覧下さい。
「アナザーストーリーズ」
NHKBSプレミアム)
12月7日(火)
午後9:00~午後10:00(60分) 歌舞伎界の風雲児、十八代目中村勘三郎が挑んだニューヨーク公演。伝統にあらがい続けた天才が歌舞伎に求めたものとは!?野田秀樹と起こした"革命"...その挑戦に迫る!
https://www.nhk.jp/p/anotherstories/ts/VWRZ1WWNYP/episode/te/DKLMQ3Y5P7/
「12月5日」
2021年12月 5日
2012年12月5日
哲明(のりあき)さんのの命日です。
18代目中村勘三郎さんです。
もう9年経ちました。
隆行(七之助さんの本名)に曽根崎心中やらしたいんだよと言っていたのを思い出しながら
今日のお初を努めてきました。
哲明さんと曽根崎もやってみたかったですね。
あそこはこうここはこうとか思いを巡らしてみました。
会いたくなりますね今だに。
「関西圏の方」
2021年12月 4日
12月7日(火)18:30〜「ニュース630京いちにち」(京都府内向け)
12月9日(木)11:30〜「ぐるっと関西おひるまえ」(2府4県内向け)
いづれもNHKです。
猪崎由華(NHK京都リボーター)のインタビューを受けました。
ぜひご覧下さい。
「オンラインイベント「かぶき特等席」12月6日20時配信スタート」
2021年12月 4日
すいません説明しにくいので企画書コピペします。
お許し下さい。
兄と今月の舞台の話をします。
【イベントの概要】
◆オンラインイベント「かぶき特等席」 第2回
「中村鴈治郎さん 中村扇雀さんに聞く京都・顔見世のたのしみ」◆
日時:12 月6 日 20:00 配信スタート
ゲスト:中村鴈治郎さん 中村扇雀さん
(聞き手:朝日新聞社・増田愛子)
鴈治郎さん、扇雀さんが共演される「曽根崎心中」を中心に、舞台写真のご紹介も交え、顔
見世の見どころや、昨年お亡くなりになった坂田藤十郎さんの思い出などについて伺いま
す。(6日午後に収録したものを配信します)
視聴料:無料(但し朝日新聞デジタル有料会員または朝日新聞紙面購読者の方が対象です。
現在有料会員でない方も、新たに登録頂くことでお申し込み頂けます)
募集ページURL:https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11006158
(朝日新聞デジタル有料会員向けぺージ)
(※朝日新聞購読者向け募集ページのURLは、11 月中旬発行の朝刊などに掲載予定の関
連記事で購読者の皆様にお知らせします)
申込締め切り:12 月23 日22:00
視聴期限:締め切りまでにお申し込み頂きますと、12 月23 日まで何度も視聴頂けます。
視聴申込時のアンケートでは中村鴈治郎さん、中村扇雀さんへの質問やメッセージも受け
付けます。ぜひご参加下さい。
※「かぶき特等席」は、歌舞伎俳優の方をお招きし、出演中の作品を中心に、舞台への思い
などを語って頂くオンラインのトークイベントです。11 月に第1回を開催しました。来年
春までに全5回の開催を予定しております。
「ご冥福をお祈りします」
2021年12月 2日
吉右衛門のお兄さんとは1986年NHK「武蔵坊弁慶」でご一緒させて頂いた懐かしい思い出がすぐに思い起こされます。TVの「鬼平犯科帳」でもゲストで一度呼んでいただいた事もありました。撮影の合間には必ずスケッチブックを出して絵を描いてらっしやったのが印象的でした。1983年に大学を卒業して舞台に戻ってすぐは忠臣蔵の四段目の残りの諸士や河内山の近習や多く勉強させて頂きましたし、同じB型で色々お話して頂きお兄さんのレベルの高いジョークについていくのに必死でした。その後当時の勘九郎のお兄さんとご一緒する機会が増えてからは播磨屋のお兄さんと舞台でご一緒する機会が減り残念でした。
昨年中村吉右衛門配信特別公演『須磨浦』は映像でしたが画面の前で感動したのをよく覚えています。お兄さんの藝に対する思いが全て詰まっていたように思えました。
偉大な先輩のご逝去は残された後輩たちに大きな責任がかかってきます。今月は父の追善をやらせていただくことでしっかり責任を果たしていきたいと思っています。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
「楽しかった赤坂大歌舞伎そして京都顔見世」
2021年12月 2日
ACTシアターが来夏「ハリーポッター」専用劇場に衣替えする最後の舞台となった赤坂大歌舞伎が11月26日にコロナ陽性者もなく盛り上がった公演も無事千穐楽を迎え6回にわたる赤坂での歌舞伎が一旦幕を下ろしました。その間今回の公演を含め3度の公演に出演し、新しい歌舞伎ファンの方が増えたことに少しでも貢献できていたら嬉しい限りです。
公演が終了しているのでネタバレはもうないと思いますのでハリーポッターとコラボ?の写真です。
この写真を初め舞台写真は歌舞伎屋本舗のホームページで販売が開始されましたので是非お買い求めください。
最後の演目の幕切れです。「宵赤坂俄廓景色」俄獅子をアレンジした演目で長三郎君が箒に見立てた隅切り銀杏の纏にまたがり宙乗りをし、バックがホグワーツに似たお城に変わります。お客様のボルテージも一段と上がり千穐楽のカーテンコールはスタンディングオベーションとなり座頭の勘九郎さんが挨拶をして大団円となりました。
亡くなった勘三郎さんと「狐狸狐狸ばなし」「人情噺文七元結」で第1回・2回と夫婦を演じたのが懐かしい思い出ですがやはり芸能の街赤坂での歌舞伎が一旦終わってしまうのは寂しい限りです。心から再開を願うばかりです。
そして1日の休みを挟み京都南座に入り南座顔見世興行に向け4日間の稽古で初日です。
14年ぶりに父の追善狂言として「曽根崎心中」のお初を努めます。父が1400回以上努めた役を継承する責任の重さを感じつつ連日試行錯誤しながら稽古に臨んでいるところです。
年末を飾るこの興行に多くの方がご来場下さることを心から願っています。
「曽根崎心中」の話はまた改めて。